コンバイン×トラクター 稲刈り 耕うん 1人で同時に 茨城の実証グループ・アグリ山崎

コンバインで稲刈りをしながら、ロボットトラクターがすき込む(井関農機提供)

 茨城県坂東市の農業生産法人などで構成するスマート農業実証グループが、コンバインとロボットトラクターを1人で2台動かす試験を始めた。大規模稲作で稲刈りと耕うんを同時に行い、稲わらなどの残さを早期にすき込んで分解を促す。翌シーズンのガス湧きを抑え、基肥の削減にもつながるという。農水省のスマート農業実証プロジェクトの一環。

 ロボットトラクターは衛星利用測位システム(GPS)などを利用し無人で自動的に作業できる。法令上、人の監視が必要で、これまでは一つの農地で有人トラクターの監視の下、2台同時に作業するのが主な活用法だった。

 今回の実証は隣り合う二つの農地で、有人のコンバインと無人のトラクターを動かす試みだ。コンバインに乗った人が稲刈りをしながら、稲刈り後の隣の農地で耕うんするロボットトラクターを目視で監視する。

 実証グループのアグリ山崎は、水稲67ヘクタールなどを栽培。コンバインとロボットトラクターの同時作業で、残さの分解促進や労力の削減に期待する。これまですき込みは稲刈り終了後に行い、全ての面積を一回りするのに翌年1月までかかっていた。寒い時期にすき込むと有機物の分解が遅れるため、翌シーズンにガス湧きの原因となる。

 収穫と同時のすき込みなら、有機物が分解して土づくりにつながり、翌シーズンの基肥が10%減ると試算する。

 同社の山崎正志代表は「稲刈り後時間を空けず、土が乾燥する前に耕うんできるので、土が程よくほぐれる」と評価する。冬は暗きょの工事や麦の種まきなどで忙しいので作業の分散にもなる。

 東京大学農学生命科学研究科の飯田俊彰准教授は「たん水前に有機物を分解できれば、温室効果ガスのメタン放出を抑制でき、地球温暖化の緩和にもつながる」と話す。

 課題はロボットトラクターの価格だ。同じ性能の普通型トラクターと比べ、500万円ほどコストがかかる。生産者からは将来、製造台数が増えることによる価格の低下が期待されている。

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