[新型コロナ] 技能実習生 再就労 7割食農分野 「コロナ解雇」受け皿に

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で解雇されるなどした外国人技能実習生を対象に一度限りの職種変更を認める「特定活動」の資格へ移行した約7割が、農業や食品製造業を新たな職種に選び、就労先を見つけていたことが分かった。法務省出入国在留管理庁が調べた。実習生の再就労の実態が明らかになるのは初めてで、世界的な社会・経済不安の中でも「食」を巡る産業が雇用の受け皿となっていることを裏付けた。

 外国人技能実習機構によると、政府が緊急事態宣言を発令する直前の2020年3月時点で入国していた、もしくは入国予定だった実習生は計36万6167人。 このうち、機構が分類する主要6業種のうち建設関係が21%と最も多く実習生を必要とし、続いて食品製造関係の19%、機械・金属関係が16%などとなっていた。農業関係は9%、漁業関係は1%と全体の1割未満だった。

 コロナ禍はこうした実習生の雇用を直撃し、解雇や雇い止めされるケースが相次いだ。出入国在留管理庁は4月、特例措置として特定活動の資格を導入し、在留期間の延長も認めた。

 同庁の調査によると、特定活動に移行して職種変更した実習生は1293人(11月時点)で、このうち飲食料品製造業の466人(36%)が最多で、次いで農業の393人(30%)となった。3位以下は大幅に減少し、建設業178人(14%)、産業機械製造業54人(4%)など。雇用が経済状況の変化に左右されやすい産業とそうでない産業との違いを浮き彫りにした。

 同庁の担当者は「食料はコロナ禍でも需要があり、現場の人材ニーズも高く、他産業と比べて雇用が多い」と分析。食の関連産業が失業した実習生らの新たな雇用先となったことを示した。

 一方、特定活動の資格を得た実習生のうち約900人はまだ就労先を見つけることができていないという。世界的にコロナ禍の終息が見えない中、雇用調整の役割も指摘されている実習生制度の在り方も問われそうだ。

<ことば> 特定活動

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、外国人技能実習生が特例的に移行できるようになった在留資格。要件は①飛行機が飛ばず帰国ができない②実習先の経営悪化などで解雇された③特定技能への移行準備が整っていない──など。延長される滞在期間は4カ月から1年。

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