[2019参院選] 7党党首ら地方演説 農政論戦 深まらず

 参院選の選挙戦が激しくなる中、与野党7党の党首らは地方で何を訴えているのか、日本農業新聞は前半戦の各党首らの演説を分析した。農村部が多い改選数1の「1人区」では農政にも言及。ただ、与党は輸出など成果のPRが中心で日米貿易協定交渉などに触れることは少ない。野党は安倍農政を批判し、戸別所得補償制度の復活を訴えるが、熱の入れ方には差がある。年金や経済などに比べ農政は十分に争点化されていない。21日の投開票日に向けて、後半戦ではより深い論戦が求められる。
 

与党 輸出拡大 成果PR


 「大切なことは、しっかりと農家の手取りにつながっていくことだ」

 安倍晋三首相(自民党総裁)は10日、山形県酒田市でこう声を張り上げた。地方の街頭演説では、まず地元農産物をPR。生産農業所得の増加や農林水産物・食品の輸出拡大を「攻めの農政」の成果として訴え、農家の所得向上を訴えるのが恒例。酒田市では米どころを意識し、米の中国への輸出拡大へ「制約は何とか突破していきたい」と意欲を示した。

 安倍首相の演説時間は約18分。農政に割いたのは1分半だった。外交では、トランプ米大統領との蜜月関係を強調する一方で、農家が懸念する日米貿易協定交渉には触れなかった。

 公明党の山口那津男代表は12日、福岡県北九州市で演説。農政への言及はなかった。
 

野党 日米密約 懸念訴え


 立憲民主党の枝野幸男代表は12日、新潟県長岡市で演説し「農業は単なる金もうけではなく、土地や水、緑を守り、国民の安全・安心な食料を支えている」と強調。戸別所得補償制度の復活・充実で農業経営を下支えすると訴えた。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は10日、福島県川俣町の演説で、日米貿易協定交渉を取り上げた。5月の日米首脳会談冒頭、トランプ米大統領が8月に成果を発表できると発言したことを挙げ、「密約があるに決まっている」と指摘。8月には牛肉関税の引き下げなどの日本の譲歩が明るみに出る可能性があるとし、「うそをついたり隠したりする政治を変えて、正直な政治を取り戻す戦いだ」と訴えた。

 社民党の福島みずほ副党首は11日、群馬県のJR高崎駅前で「農業や林業など第1次産業を守ることも大きな課題」と強調。安倍政権が進めた環太平洋連携協定(TPP)や種子法廃止などを問題視し「国民の生活が見えていない」と批判した。

 野党の中で、農政に最も時間を割いたのは玉木氏。約7分間の4分の1に当たる1分43秒を充てた。枝野氏は稲作地帯での演説だったが、約9分中、言及はわずか38秒。福島氏も約19分中、52秒にとどまる。野党は農政で主張が近いが、一致して与党との対立軸にするまでには至っていない。

 共産党の志位和夫委員長は10日に高知市、日本維新の会の松井一郎代表は11日に大阪府河内長野市で演説。農政に関連した発言はなかった。

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは