新品種 持ち出し制限 有識者まとめ案 自家増殖 許諾制に

 優良品種の海外流出防止策を議論してきた農水省の有識者検討会の取りまとめ案が14日、判明した。種苗法に基づく現行制度を見直し、新品種に海外持ち出しや特定地域外での栽培の禁止といった利用条件を付けることで流出を防ぐよう提起。品種登録した農産物(登録品種)は、農家による販売目的ではない自家増殖でも許諾を必要にすることを求める。15日の同検討会で示す。

 取りまとめを受け、同省は来年の通常国会に種苗法の改正案を提出する方針だ。しかし、自家増殖の許諾制などには国内農家に懸念する声もある。種苗法改正に向けては自民党も作業部会を設置して検討を始めており、調整が難航する可能性がある。

 取りまとめ案では、登録品種の販売時、育成者権者が国内利用や栽培地域の限定といった条件を付け、許諾なしでの海外への持ち出しを防げるようにする。都道府県の育成品種が、その県以外で栽培されることも防ぐ。登録品種であることや利用条件の表示義務付けも求める。

 登録品種を増殖するには、農家の自家増殖も含め、育成者権者の許諾を必要とすることも取りまとめ案に盛り込む。団体申請やひな形の提示など、農家が許諾を得やすくする措置も求める。在来種など、登録品種以外の一般品種は従来通り増殖を制限しない。

 植物の新品種保護に関する国際条約(UPOV)の加盟国には、登録品種が持ち出されても現行制度では違法にはならない。国内育成の優良品種が海外で栽培されて、輸出先で日本産と競合するといった問題もあった。

 現行制度では、登録品種でも、農家が収穫物の一部を次期作の種苗として使う自家増殖は認められている。だが、種苗の流通状況を把握できないため海外流出につながる可能性があり、「育成者権者が品種開発の正当な対価を得られない」といった指摘があった。

 こうした状況を踏まえ、①新品種が海外に流出した場合、育成者権の侵害を立証する手続きを容易にする②海外での品種登録促進③登録品種が知的財産として保護されることの意識を醸成する──ことなども求める。
 

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