[未来人材] 31歳。アセロラ商品次々打ち出し売り上げ伸ばす 赤い実地域の基幹に 並里康次郎さん 沖縄県本部町

鮮やかな赤が映える「アセローラフローズン」をPRする並里さん(沖縄県本部町で)

 沖縄県本部町の並里康次郎さん(31)は、アセロラの魅力を発信する若き経営者だ。今年、生産・加工・販売を手掛ける(株)アセローラフレッシュの社長に就任。鮮やかな赤色のジュースを軸に、新商品を矢継ぎ早に打ち出し、入社7年で売上高を1・5倍に増やした。アセロラの生産や加工を地域の基幹産業にしようと意気込む。

 「きれい」。同社の直売所をひっきりなしに訪れる消費者が「アセローラフローズン」(300ミリリットル、600円)を注文し、写真に収める。果汁を凍らせた商品で、無着色の鮮やかな赤が「映える」と人気だ。

 「果実は日持ちしないが、収穫してすぐに搾ると果汁はピンク色や黄色になる。赤を出すのはタイミング勝負」と並里さん。「他では出せない色。スタッフのおかげだ」と胸を張る。

 商品が誕生したのは2013年。当時入社2年目の並里さんが単身、東京都内へ出張したのがきっかけになった。ふと目にしたスムージーに着想を得た並里さんが社内でアイデアを共有し、商品化。爆発的に売れ、すぐに同社の“看板”に成長した。酒造や乳業などの大手と協力した商品開発も同時期に進み、会社は勢いを増していった。

 ただ、並里さんにとっては必ずしも順風満帆ではなかった。同社は亡き父が30年前に設立。並里さんは大学を卒業した12年に入社したが、当初は「社長の息子だという色眼鏡で見られていた」。取引先や社員らの信頼を得るため、謙虚でいようと心掛けた並里さん。会社の後継ぎではなく「一営業マン」として、率先して営業に汗を流した結果、周囲の並里さんを見る目が徐々に変わった。

 社長に就いた今年は新商品を打ち出した。知人のシェフの協力を得てアセロラの皮や種とカラシナの種を使ったマスタードなどを商品化。「イチゴの『あまおう』のようにしたい」と、「美ら実(ちゅらみ)」というブランドも発表した。県と協力して酸味の強い新品種も開発中だ。

 同社の売上高は入社当初の4500万円から7000万円に成長した。「多くの人の支えがあった。もっと力を付け、契約農家から多く仕入れたい」と話す並里さん。赤い果実で地域を盛り上げる。(松本大輔)
 

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