刈られた「黒木大藤」の花 シロップ漬けで復活 福岡県八女市

人の密集を避けるため、刈り取られた藤の花(写真=上。4月、福岡県八女市で)刈り取られた藤の花のシロップ漬けを手にする堤さん(同=下)

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、見頃を迎えたにもかかわらず刈り取られた、福岡県八女市の「黒木大藤」の花が、シロップ漬けとして生まれ変わった。地元のしょうゆ店の堤裕一郎さんが大藤を使い加工した。2、3日に福岡市内の百貨店で100個を販売する。

 国指定の天然記念物「黒木大藤」は、藤棚一面に広がる花「紫のカーテン」が魅力。満開の時期には毎年約20万人が訪れていた。今年は人の密集を避けるため、4月28日に関係者が刈り取った。

 藤棚のすぐそばに店を構える堤さんは、花が刈り取られる当日に「もったいない。何かできないか」と思い立ち、刈った花房を地面に触れないようにして持ち帰った。桜のシロップ漬けを参考に試作を6回繰り返し、完成させた。「花がしおれるので時間との闘いだった」と堤さんは振り返る。

 シロップ漬けは、藤の花の香りや風味が楽しめる。レモン汁を入れたことで、花の紫色をできる限りとどめたまま、保存性を高めることに成功した。炭酸水で割るのがお薦めという。1個480円。

 堤さんは「刈り取りがあったことで、藤の大切さを再確認できた部分もある。これからも、町の誇りである大藤を守っていきたい」と自ら加工したシロップ漬けに思いを込める。

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