イノシシ・鹿対策 合わせ技で農地“自衛” 金網・猟友会が活躍 愛媛・宇和島市

イノシシや鹿の侵入を防ぐため水田全体を囲う金網(愛媛県宇和島市で)

 約83%を森林が占める愛媛県宇和島市津島町で、地域ぐるみの鳥獣害対策が効果を上げている。20年ほど前からイノシシや鹿に悩まされてきたが、金網の設置や猟友会の活躍で被害は減少傾向を見せている。

 同町の増穂生産組合は、組合員の農地の半分以上を金網で囲うことで被害を防ぐ。県の補助金を活用し、組合が一部を負担することで地権者の個人負担を軽くした。

 設置を始めたのは2014年。組合長を務める梶原忠さん(63)は、10年ほど前に消防団の夜警で町内を巡回している際にイノシシを50頭を見掛け「これはまずい」と危機感を覚えた。

 当時、農家はワイヤメッシュや養殖用の漁網を張って個人で農地を守っていた。しかし、網をかみちぎったり地面を掘って侵入してきたりと被害は後を絶たなかった。そこで、一度設置すれば10年は持つとされる頑丈な金網を増穂地区の約20ヘクタールに張ったところ、ほとんど被害はなくなった。

 有害鳥獣の減少には、猟友会も一役買っている。

 同町の内山喜教さん(83)は60年前から狩猟に注力し、年間400頭以上を捕らえる名人だ。約20アール15カ所にわなを設置し、毎日巡回する。捕獲頭数は年々、増やしているという。自動車メーカーに勤める孫の吉田圭佑さん(22)も、熱心に狩猟に取り組む祖父の姿に引かれ、20歳で狩猟免許を取得。休日は若手猟師と山へ出向き、楽しみながら腕を磨く。「農家や住民から感謝されるとうれしい。駆除要請があれば積極的に対応している」と話す。

 市によると、同町の猟友会によるイノシシ、鹿の捕獲実績は16年度は1841頭だったが、19年度は2549頭に増えた。同町では今後も被害軽減を目指し、自分たちの手で農業を守っていく。
 

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