日英EPA、参院委で可決 きょう国会承認へ
2020年12月04日
参院外交防衛委員会は3日、日英経済連携協定(EPA)の承認案を審議・採決し、自民、公明、立憲民主、維新、国民民主の各党の賛成多数で可決した。4日の参院本会議で可決、成立する見通しだ。
英国の欧州連合(EU)離脱に伴う移行措置は年末で期限切れとなり、日欧EPAの関税が英国には適応されなくなる。このため、日英両政府は来年1月1日の発効を目指している。
委員会での審議で、農水省は「わが国の農林水産業への追加的な影響はない」(国際部)との考えを改めて強調した。日本維新の会の鈴木宗男氏らへの答弁。関税などの合意内容が「日欧EPAの範囲内」(同)のためだと説明した。
関連して、日欧EPAが2019年2月に発効した後の影響について、農水省は「EUからの農林水産品の輸入が大きく増え、国内農林水産業に影響が及んでいる状況にはない」(同)との認識も示した。発効後、20年1月までのEUからの農林水産品の輸入額は前年同期比3%増で、発効前3年の同平均8%増を下回る水準だったためと説明した。公明党の三浦信祐氏への答弁。
英国の欧州連合(EU)離脱に伴う移行措置は年末で期限切れとなり、日欧EPAの関税が英国には適応されなくなる。このため、日英両政府は来年1月1日の発効を目指している。
委員会での審議で、農水省は「わが国の農林水産業への追加的な影響はない」(国際部)との考えを改めて強調した。日本維新の会の鈴木宗男氏らへの答弁。関税などの合意内容が「日欧EPAの範囲内」(同)のためだと説明した。
関連して、日欧EPAが2019年2月に発効した後の影響について、農水省は「EUからの農林水産品の輸入が大きく増え、国内農林水産業に影響が及んでいる状況にはない」(同)との認識も示した。発効後、20年1月までのEUからの農林水産品の輸入額は前年同期比3%増で、発効前3年の同平均8%増を下回る水準だったためと説明した。公明党の三浦信祐氏への答弁。
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次期全国大会議案 大転換期のJA像示せ
世界と日本を取り巻く情勢は新型コロナウイルスで激変した。そうした中でJAグループは10月、第29回JA全国大会を開き、中期指針を打ち出す。大転換期になくてはならない協同組合の存在感を示す「目指すJA像」を発信すべきだ。
ピーター・ドラッカーが半世紀前に書いた『断絶の時代』を改めて読み直したい。われわれが今直面している状況と重なる点が多い。彼は四つの「地殻変動」が始まったことを挙げ、これまでの経済・社会とは「非連続」の時代の到来を展望した。その一つ目は新技術・産業の出現。二つ目は経済のグローバル化。三つ目は政治と社会の多元化。四つ目は知識社会の到来。知識は情報と置き換えていいかもしれない。
まさにその時代を生きてきたわれわれは、インターネットなどの情報技術が劇的に私たちの暮らしや経済を変えたことを知っている。世界は近づき、国境の壁は取り外され、そして農産物輸入大国の日本が輸出拡大の旗を振っている。グローバル化は一方で、ウイルスや細菌といった病原体があっという間に世界を席巻するリスクを高めた。
コロナ禍が生活、経済、人々の意識に本質的な変化をもたらすかは見定める必要があるが、テレワーク、オンライン会議、ネットショッピングといったスタイルは収束後も定着すると考えられる。東京から地方への転出、田園回帰の流れが続く可能性も高い。これを一層太いものにすることが求められている。
また、コロナ禍が加速させた格差の拡大、社会の分断をどう乗り越えていくか。新自由主義的な経済から持続可能な経済への転換、地球温暖化防止といった地球的課題への関心も高まりつつある。今、転換期に立つとの意識を持つべきである。
こうした大きな視座から、協同組合の中核であるJAグループは何をすべきか。「食と農を基軸に、地域に根差した協同組合」が持つ資源とヒューマンパワーで何ができるか。次期大会議案づくりでは、今日的な課題への骨太の構想を示すべきだ。「地域になくてはならないJA」の具体的な姿と、そのための行動を提示してもらいたい。
過去2回の大会議案は、官邸主導の農協改革への対応に追われ、JA自己改革を前面に打ち出した。具体的には農業者所得の増大、農業生産の拡大、地域の活性化。これらは成果を上げたが、JAの原点として引き続き実践の手を緩めてはならない。同時に、協同組合の側から、大転換期に日本はどう対応すべきか前向きなメッセージを発信してほしい。
世界の協同組合はその存在意義が問われている。国際協同組合同盟(ICA)が掲げた「2020~30年戦略計画」の主題は、アイデンティティーの強化・深化である。あまり内向き志向にならず、協同組合らしさの発揮を組織の内外に伝える議案にすべきである。
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2021年01月18日

[農と食のこれから 二つの学校から]後編(下) 引きこもり生活一変 新たな居場所 たくましく歩む
「自信はまだないけれど、怖いほど迷いがない。きっと僕は農業が好きなんだと思う」。新型コロナウイルス禍の2020年度に日本農業実践学園に入校した18人の中で最年少、28歳の雙田貴晃さんが、ナスを促成栽培する温床を作ろうと土壌を掘り返しながら、白い歯を見せた。
挫折からしばらく引きこもりの生活が続いた。外の世界に連れ出してくれたのが農業だった。
諦めた司法試験
「理系一家」の末っ子だ。……
2021年01月21日
JA全国女性大会 「新たな活動」で仲間を
きょう、JA全国女性大会が開かれる。活動の灯(ひ)を消さないように、関係性を絶やさないようにと各地で模索が続く中、「Withコロナ時代の新しいJA女性組織活動」をウェブ上で語り合う。インターネット交流サイト(SNS)や動画配信、ウェブ会議など新たな手法を取り入れて活動を進め、新たな層を巻き込みたい。
「できることからはじめよう」──。JA全国女性組織協議会(JA全国女性協)とJA全中が2020年9月に作成した「Withコロナ時代における新たなJA女性組織の活動指針」では、これを合言葉として、新型コロナウイルス禍からの“再起動”を呼び掛けた。
日本農業新聞くらし面では、今大会を前に「女性部活動withコロナ」を連載。JA長野県女性協議会のSNSを活用した情報発信、愛知県JAあいち海部の自宅で受講できるオンライン教室(動画配信)などを紹介した。これらの手法は今ある関係性を深めつつ、新たな層とつながることにも有効だ。各地の事例がそれを証明している。
JA全国女性協は今年、70周年という節目の年を迎える。前身である全国農協婦人団体連絡協議会の設立が1951年。加藤和奈会長は「先輩たちも困難に打ち勝ってきた」と歴史を振り返りながら、新たな活動手法を指して「コロナ下だからできることがある」と語る。
来年度は、JA全国女性協3カ年計画(19~21年度)の最終年度。計画は、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)の考え方を初めて取り入れたのが特徴だ。具体的活動として、①食を守る②農業を支える③地域を担う④仲間をつくる⑤JA運営に参画する──を示した。どれも、各地の女性組織が長い年月をかけて展開してきたものだ。
コロナ下で、とりわけ重要となるのが「仲間をつくる」ことだろう。JA全国女性協の会員は、前年比3万366人減の49万1330人(20年7月時点)と減少が続き、会員拡大が長年の課題となっている。
しかし「withコロナ」の考え方で、会員以外の層に活動の楽しさや重要性を伝えられれば、少しずつでも仲間づくりは進む。仲間づくりはひいては食を守り、農業を支え、地域を担うことにもつながるだろう。
「70年という節目」と「withコロナ」。くしくも、歴史的なタイミングが重なった。今、大会やイベントに集まれずとも、できることはある。まずは少人数からでも取り組みを始めよう。
本日の大会では「できること」から始めた各地の会員がスピーチで取り組みを発表する。参考になる手法は共有して、それぞれの地域で展開してほしい。そして、JAのトップ層は女性組織活動の意義と役割を正当に評価し、支援をしてほしい。食と農を基軸にしたJAの価値を伝える重要な担い手なのだから。
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2021年01月20日

生徒の思い商品化 スイーツで独自銘柄
第1弾は県産黒糖 JAおきなわ「mamu―i」
JAおきなわは、独自のスイーツブランド「mamu―i(マムイ)」を立ち上げた。JAの知名度を生かした新ブランドの展開で、新たな販路拡大と県産農産物の消費拡大に弾みをつける。第1弾の商品として沖縄黒糖を使った「ざわわショコラ」を先行発売した。
沖縄県では、サトウキビ生産と黒糖製造業が離島経済と島民の生活を支えている。……
2ページ目は『「白バラ牛乳」×「北栄町産イチゴ」のカップケーキ販売 26日から山陰地区で 大山乳業農協と鳥取中央育英高』がご覧になれます。
2021年01月23日

奈良・明日香村移住者へ 「農+観光業」を提案 収入安定し放棄地も解消
奈良県明日香村は、観光業を営むために村に移住した人などを対象に、耕作放棄地を活用して農業に取り組んでもらうプロジェクトを2021年度から本格的に始める。初心者でもできるように、耕作放棄地を整備して貸し出し、作業も手厚く支援する。より収入が安定する「農業+観光業」の暮らしを提案し、移住の加速と耕作放棄地解消につなげる。
整備後に貸し出し
明日香村には飛鳥時代の史跡が多く残され、年間約80万人が訪れるなど観光が盛ん。……
2021年01月23日
農政の新着記事
輸出で地方空港を活用 米から野菜へ転換支援 首相
菅義偉首相は22日の参院本会議の代表質問で、農林水産物・食品の輸出拡大のため「輸出対応型の集荷施設を整備するとともに、地方空港の活用を進める」と述べた。公明党の山口那津男代表への答弁。米政策を巡っては余剰米の買い上げを否定し、需給均衡に向けて「野菜などの高収益作物への転換を支援していく」と述べた。共産党の小池晃書記局長への答弁。
輸出拡大に関して、首相は「(輸出向け)産地の育成と合わせ、集積拠点や効率的な輸送ルートといった物流基盤の強化が重要だ」とも述べた。……
2021年01月23日
緊急事態で農産物価格低下 「生産者を下支え」 農相
野上浩太郎農相は22日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発令の影響で、花きなど一部の農産物の価格が低下しているとの認識を示した。「生産者の下支えを図りたい」と述べ、2020年度第3次補正予算の事業で販売促進を支援する考えを示した。
野上農相は、緊急事態宣言による外出の自粛や飲食店の営業時間の短縮で、ホテルや贈答向けのメロン、外食向けの大葉・ワサビといったつま物の需要が減少し、「価格が下がり始めている」と述べた。……
2021年01月23日

配合飼料高騰 長期化に農家恐々 負担増へ先手置き換え急ぐ 食べ残し削減徹底
トウモロコシや大豆など穀類相場の高騰で、国内で配合飼料の供給価格が上昇しているため、畜産現場に長期的な影響が及ぶ可能性が出てきた。JA全農によると、1~3月期の配合飼料供給価格は昨年10~12月期に比べ、全国全畜種総平均で1トン当たり3900円値上げされている。産地は、年内は高値が続く可能性があるとして、代替飼料の活用など新たな対策を模索し始めた。(関山大樹、中川達己)
北海道中標津町のTMR(完全混合飼料)センター「とうほろDairyCenter」は、配合飼料に大豆やトウモロコシなどを混ぜた混合飼料を作り、地域の酪農家の乳牛約1250頭に供給している。だが、飼料や原料を貯蔵する12個のタンクのうち現在、大豆だけが空の状態だ。
今冬、大豆を取引するメーカーに1トン当たり5000円の値上げを打診された。従来通りに飼料生産をした場合、年間400万円の負担増になる。代替策として、飼料の主要なタンパク源を加熱大豆から、タンパク含有率のやや低い「コーングルテンフィード」に置き換えた。
センターは大豆の他、トウモロコシ、しょうゆかす、配合飼料なども使う。代表の竹村聡さん(57)は「このままだと値上がりでさらに経費が増えるため、タンパク源を替えて早めに対策を打った」と説明する。
芽室町で肉用牛約4000頭を飼養する大野ファームは月700トンほど配合飼料を購入しており、飼料高騰前に比べ、毎月210万円経費がかさんでいる。代表の大野泰裕さん(56)は「配合飼料はすぐ置き換えられるものではないが、長期的に影響が続いた場合を考え、国産で置き換えられるものがあれば少しずつ替えていく」と見据える。
九州でも畜産農家が対応に苦慮する。飼養頭数50~100頭規模の養豚農家が多い宮崎県のJA都城では「豚の餌の食べこぼしを減らすなど、餌を無駄にしないこれまでの対策を継続し、徹底するよう呼び掛ける」(養豚課)としている。
穀類の国際価格の基準となるシカゴ先物相場では20日(米国現地時間)、トウモロコシが1ブッシェル5・22ドル。大豆も1ブッシェル13・70ドル。昨年1月の同相場はトウモロコシが同3ドル台、大豆は同8ドル後半~9ドル台で推移しており、今年は高値が続く。
相場高騰は昨年8月以降、南米や米国など主産地での高温乾燥や暴風雨による生育不良が原因。中国で飼料用の需要が増え、旺盛な輸入が続くことも影響した。
米国農務省が1月12日に発表した需給予測では、今年8月末の大豆の期末在庫は全需要量の3・1%と極めて低い水準に落ち込む見込み。穀類の需給逼迫(ひっぱく)が続けば、国内の配合飼料供給価格が高止まる可能性がある。
一方、1~3月期の配合飼料安定基金の補填(ほてん)額の決定は4月中旬を予定。発動されれば、5月末に支出される。
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2021年01月22日

千葉 アヒルで鳥インフル 出荷先6道府県 処分完了
農水省と千葉県は21日、同県横芝光町のアヒルふ卵農場で鳥インフルエンザの疑似患畜を確認し、約8000羽を殺処分した。今季37例目となる。アヒルのひなの出荷先である疫学関連農場は北海道、宮城、茨城、埼玉、大阪、奈良の6道府県9農場に及び、同日に各自治体が約6700羽の殺処分を終えた。
発生農場が20日、産卵率の低下を県に通報。農水省によると、産卵率低下は高病原性鳥インフルエンザでも起きる症状で、防疫指針にも記載がある。21日に遺伝子検査で高病原性の疑いがあるH5亜型と判定された。
千葉県は発生農場で防疫措置を実施。同農場から半径3キロ圏内の移動制限区域には5戸が約17万羽を、半径3~10キロ圏内の搬出制限区域には25戸が約126万羽を飼う。
疫学関連農場では、発生農場が7日間以内に供給したひなを疑似患畜とし、同じ鶏舎などで管理するアヒルを殺処分した。疫学関連農場周辺では、移動制限・搬出制限区域を設けていない。
出荷先も殺処分 拡散防止へ厳重警戒
アヒルのひなの出荷先道府県では、ひなを疑似患畜として同日中に殺処分を完了。当該農場の家禽(かきん)の移動を禁止するなど、対応に追われた。
埼玉県は同日、県内2カ所に出荷されていたアヒル2159羽の殺処分を終えた。対象は行田市の879羽、春日部市の1280羽。2月5日まで2農場の全ての家禽の移動を控えるよう求めた他、農場の出入り口を1カ所に制限し、農場外に物品を搬出しないよう要請した。
茨城県も、かすみがうら市の1農場、古河市の2農場で計2884羽の殺処分をした。対象外の約8600羽は移動を禁止し、14日間の健康観察を経て異常がなければ、2月5日にも解除する。
年間700万羽を加工する茨城県の食鳥処理会社の関係者は「ウイルスを持ち込まれては加工処理も止まってしまう。改めて処理道具の熱処理や出入り口、車両の消毒など、予防対策を徹底していくしかない」と話す。
北海道は、赤平市の農場のアヒルのひな637羽を疑似患畜と決定し、21日午前1時44分に殺処分を完了した。同農場では食用アヒル約4000羽を飼養。ひなは19日に到着し、単独の鶏舎で飼っていた。
道は21日、家畜伝染病予防法に基づき同農場に対し、家禽などの移動を禁止し、毎日の死亡羽数を空知家畜保健衛生所に報告するよう命令した。
宮城県は、角田市の養鶏場が15日に導入したアヒル517羽の殺処分と農場の防疫措置を、21日朝までに完了した。養鶏場では約7000羽のアヒルを飼っており、殺処分対象外のアヒルも検査と経過観察を行う。移動制限区域などは設けず、周辺鶏農家へ情報提供をした。
奈良県御所市の農場では21日、全205羽の殺処分・防疫措置が完了した。同農場ではアヒル約2000羽を飼養。当該のひなは複数ある鶏舎の1カ所で飼っていたため、残る家禽とは接触がないという。
大阪府も、府内の農場が購入したひな326羽を殺処分し、21日午後0時45分に防疫措置を終えた。府内の農場での疑似患畜確認は今季初めて。府は警戒の強化を呼び掛ける。
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2021年01月22日
生物多様性保全戦略 流通・消費者も一体で 来年度改定へ新項目 農水省
農水省は、生物多様性の保全方針を示す戦略を2021年度中に改定する。5月に中国で開かれる生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で、新たな世界目標が決まることを踏まえる。これまで3回の有識者検討会を開き、ビジョンや目次案などを議論。現行戦略は生産者向けの記述が中心だったが、新戦略は流通、消費まで関係者一体となった取り組みを促す内容となりそうだ。
同戦略は07年に初めて策定し、農薬や肥料の適正使用、農業生産工程管理(GAP)の普及といった施策の展開を盛り込んでいる。今回が2回目の改定で、COP15を受けて決める国家戦略にも反映させる。これまでの議論で、30年に向けた戦略のビジョンは「農山漁村が育む自然の恵みを生かし、環境と経済がともに循環・向上する社会」とする方向となった。
18日の検討会第3回会合では、目次案などを議論。現行の戦略は生産者向けの記述が中心だが、同省は新たに流通業者、消費者向けの項目の新設を提起。環境に配慮した農産物の調達や、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品ロスの削減などを促すとした。
農林水産関連のコンサルティングなどを手掛ける、いきもの株式会社の菊池紳代表取締役は「流通業者が生物多様性に関わるには、それに取り組む生産者から優先して調達するのが一番」と指摘。生産者との連携を記述するよう求めた。立教大学特任教授の河口真理子氏は「生物多様性を守る最前線にいる生産者を応援しないと何も始まらない。リレーをつないでいるのが流通、小売りという位置関係も書いてほしい」と強調した。
次回の会合は3月上旬を予定。戦略本文などを検討する。
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2021年01月22日
米、輸出へ「新JAS」 23年産めざし検討会議 農水省
農水省は20日、農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会を開き、農産物検査や米の流通に関する見直し項目について、今後の具体的な検討の進め方を示した。米の輸出拡大や高付加価値販売に向けた新しい日本農林規格(JAS)の制定については、2023年産米からの実現を目指して、検討会議を設ける。……
2021年01月21日
家伝法の課題検証を 鳥インフルで自民、PT設立へ
自民党は20日、鳥インフルエンザ等家畜防疫対策本部(本部長=江藤拓前農相)の会合を開いた。議員からは、県による対応水準のばらつきの是正や、十分な埋却地の確保の徹底に向け、国の対応強化を求める意見が出た。江藤本部長は「法律の問題点はないのか」と述べ、現行の家畜伝染病予防法(家伝法)の課題の検証が必要との認識を表明。プロジェクトチーム(PT)を立ち上げて議論する方針を示した。
高病原性鳥インフルエンザは今シーズン、15県36事例が発生し、過去最多の604万羽が殺処分された。……
2021年01月21日
「半農半X」支援策探る 農水省の農村政策在り方検討会
農水省の新しい農村政策の在り方検討会(座長=小田切徳美・明治大学教授)は20日、ウェブ会議形式で会合を開き、「半農半X」など、農業とさまざまな仕事を組み合わせた活動の支援策を検討した。委員からは、農業など地域の産業に精通した税務・会計支援や、希望する仕事の実現に向けた学習や仲間づくりなど、多様な機会を提供する必要性が指摘された。
同検討会では、「田園回帰」の受け皿になる農村の環境整備に向けた施策を検討している。
委員の平井太郎・弘前大学大学院准教授は、「半農半X」を踏まえた事業展開を推進する上で、農業などに詳しい「中小企業診断士や税理士を地域で育てることが重要だ」と指摘。小田切教授も「地方の税務・会計支援は重要な論点」と述べた。
いわて地域づくり支援センターの若菜千穂常務は、「重要なのは、やりたいことが仕事になる、希望が持てる社会づくりだ」と指摘。実現に向けた学びの場や仲間づくりなど、政策による「多様な機会」の創出が必要とした。
同日は、島根県海士町の大江和彦町長が取り組みを報告した。同町では「半官半X」を推進する条例を制定。役場の仕事をしながら、農漁業など地域振興につながる民間の活動に参加できるようにした。
本格的に「半官半X」による地域振興を進めるため、採用試験に「半官半X」枠を新設。職員を配置する新たな部署も立ち上げる予定という。大江町長は「地方、田舎こそ公務員に複業の必要性を感じている」と強調した。
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2021年01月21日

[補正予算 注目の事業] 農地情報精度高く スマート農業で活用へ 農水省
農水省は、衛星画像から作る農地の区画情報「筆ポリゴン」の精度向上に乗り出す。これまでより解像度の高い画像を人工知能(AI)に取り込み、圃場(ほじょう)の大区画化や宅地化などで形状が変化した区画を、より正確に判別できるようにする。得られたデータをスマート農業などに活用する実証試験も行う。
2020年度第3次補正予算に8億4500万円を盛り込んだ。……
2021年01月21日

鳥インフル 飼養管理不備1割 改善へ指導継続 農水省
農水省が全国の養鶏場などを対象に行った飼養衛生管理基準の自主点検で、報告があった約1万4000件の農場などのうち、1割ほどに不備があることが19日、分かった。都道府県ごとの結果は22日に公表する予定。同省は高病原性鳥インフルエンザが過去最大に広がる中、全農場で管理基準が順守されるよう、指導を続ける。
19日に開かれた鳥インフルエンザ関係閣僚会議で報告された。飼養衛生管理基準のうち、今シーズンの発生農場で不十分なケースが多かった7項目について、前回点検で約1割ほどの農場に不備があったため追加調査をした。
今回は1月18日までの約1カ月間で聞き取り、報告数は前回報告数の2倍近くとなる1万3543。小規模農場にも働き掛けた上、愛玩動物として鳥を飼う個人や、動物園、研究施設などにも報告を求めた。
今回の点検では、「衛生管理区域専用の衣服、靴の設置と使用」「家禽(かきん)舎ごとの専用の靴の設置と使用」がともに順守率89%で低かった。一方、「野生動物の侵入防止ネットなどの設置、点検、修繕」など同95%で高かった。
前回点検から順守率が下がった項目は「ネズミ、害虫の駆除」で、前回点検より3ポイント減の93%だった。
同省によると、前回の点検で不備があった農場の多くは改善しているという。今回不備があった農場についても防鳥ネットや消毒機器の整備などへの支援の活用を促し、順守率100%を目指す。同省動物衛生課は「全ての項目を順守する必要がある。引き続き、指導や助言などを続けていく」と強調した。
野上浩太郎農相も19日の閣議後会見で、「今シーズンは発生数、殺処分数とも過去最大となっている状況。関係府省と連携し緊張感を持って対応していきたい」と述べた。
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2021年01月20日