ベテランの技、JA出荷データ… クラウドへ集約し経営に“最適解” 高知で始動

 高知県は20日、産官学で連携して構築を進めてきた「IoPクラウド(愛称=サワチ)」を始動させたと発表した。農家の栽培ハウスから得られる園芸作物データや環境データの他、JAからの出荷データなどを集約。人工知能(AI)を使って地域に最適な栽培モデルを示し、営農指導に役立てる。収穫量予測もでき、作物の販売にも活用する。
 

脱・経験依存、収穫予測も


 IoPは、ナスやピーマン、キュウリなど園芸作物の生理・生育情報をAIで“見える化”するもの。2018年から構築を目指し、JAグループ高知や県内各大学、農研機構、東京大学大学院、九州大学、NTTドコモなどと連携している。

 県は当面、①データ収集に協力する農家約30戸の作物の花数、実数、肥大日数などの作物データ②約200戸のハウスの温湿度、二酸化炭素濃度などの環境データ③園芸作物主要6品目の全農家約3000戸の過去3年の出荷データ──などを収集し活用する。

 農家はスマホやパソコンから、クラウドに送られたハウスの環境データだけでなく、異常の監視と警報、ボイラーやかん水など機械類の稼働状況に加え、出荷状況などが確認できる。県やJAの指導員も、戸別の経営診断や産地全体の経営分析などに生かす。

 22年からの本格運用を目指しており、最終的には、県内の園芸農家約6000戸のデータを連係させる。県は、「経験と勘の農業」からデータを活用した農業への転換を進めるとしている。

 クラウドは県内の営農者、利活用を希望する企業などが利用できるが、まずはデータの収集に協力している約200戸の農家から利用を始める。3月末から、新規利用の申し込みができる予定だ。

 農家がクラウドの機能を活用するのは無料。通信分野でシステム構築に協力したNTTドコモは希望者に対し、JAなどに出向いた「IoP教室」を開く。

 JA高知県の竹吉功常務は「営農、販売でいかに活用できるかがポイント。技術の継承、出荷予測などにも使える。農家に還元できるよう、十分生かしていきたい」と強調する。
 

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