[未来人材] 28歳。 ラグビーボールを野菜に持ち替え 規模拡大にもトライ 松田昇さん 青森県おいらせ町

ニンジンを洗浄する松田さん(青森県おいらせ町で)

 青森県おいらせ町の松田昇さん(28)は、東京からUターンで親元で就農し、ニンジンやダイコンなどの根菜類を中心に栽培している。学生時代から社会人にかけてラグビーに明け暮れた毎日を過ごし、就農した今はラグビーボールを野菜に持ち替え、新たな担い手として地域農業を引っ張る。「今後は規模拡大にもトライしたい」と大きな夢を描く。

 松田さんは三沢商業高校時代に友人から誘われてラグビーを始め、めきめき頭角を現した。そして、大学選手権を9連覇した強豪の帝京大学に進学し、4年間の学生生活はラグビー漬けの毎日を過ごした。周りは日本代表候補や海外からの留学生といった実力者ばかり。200人近い部員がいる中で壁は厚く、1軍としてピッチに立つことはかなわなかったが、「あの頃に鍛えられた体力や精神力が、今の農業にも役立っている」と振り返る。

 卒業後は社会人リーグに所属。ラグビーと自動販売機の営業という二足のわらじを履いた生活を続けていたが、営業という仕事になかなかなじめない日が続いた。そんな中、長男ということもあり「いつかは戻って農業を継がないといけないという思いが次第に強くなっていった」ため、帰郷を決意した。

 帰郷して農業を本格的に始めたのは4年前。「自分のペースで仕事ができるところが性に合っている」と話す。昇さんは収穫機の運転や洗浄機の操作が主な担当だ。最初はうまく操作ができず、野菜を傷つけてしまうこともあった。だが次第に作業に慣れ、ロスなく操作できるようになってきた。

 最盛期となる夏場は作業が午前3時から始まる。午前中に収穫を済ませた後、午後からは洗浄選別と箱詰めを行い、日に1000ケース(1ケース10キロ)近くを出荷。家に戻ってくるのは日が暮れてからと、体力勝負の毎日が続くが「ラグビーの練習の方が大変だった」と笑う。

 現在は家族や親類と共にダイコン5ヘクタールとニンジン4ヘクタールを栽培。担い手農家の不足が課題となっている中、地域では貴重な若手就農者だ。「今後は栽培面積を今以上に増やし、ゴボウなど新しい品目も導入していきたい」と意気込む。(音道洋範)
 

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