古いトラクターに安価で 安全フレーム後付け クボタ

 農機メーカーのクボタは今春から、安全フレームとシートベルトが未装備の同社製トラクターに、これらを後付けできるキットを販売・装着するサービスを始める。農作業安全対策の一環。費用は組み付け料込みで1万円(税別)。対象は装備を後付けできる同社製トラクター3万3000台(推定)。値頃感のある価格設定で提供し、農家の安全意識を高め、農作業安全対策を強化する。

 農水省によると、農作業死亡事故の原因のうちトラクターからの転倒・転落が最多で、3割を占めている。

 同社の調査でも安全フレームのない機種の死亡事故数が目立つ。創立130周年を機に農機の安全対策の強化に乗り出した。後付けキットの実際の費用は10万円程度。採算よりも安全性や農家の意識向上を重視した。

 後付けキットは、トラクターの転倒時にフレームで運転席周りの安全域をつくり、シートベルトで安全域にとどまることで被害を軽減する。安全フレームは1997年度、シートベルトは2000年度から装備が義務化されている。後付けキットの対象は、それ以前に販売されて装着が購入者の選択に委ねられていた機種だ。

 同社の18年末時点の推計によると、国内で稼働する同社製トラクターは54万台。そのうち84%は、安全フレームやシートベルトを装着済みだ。

 今回の後付けキットの対象機種は初代GL、初代GT、Aシリーズの「アステ」と「アステファイブ」。合計で3万3000台で、稼働中のトラクターの6%を占める。

 安全フレームのない旧式トラクターの安全性向上策は、同省でも長年の検討課題だった。「農機メーカーが古い機種の安全フレームを復刻して後付けするのは初めて。農家が導入しやすい価格設定は、業界でも一歩進んだ取り組み」(同省生産局技術普及課生産資材対策室)と高く評価する。

 20年度の同省の農業機械安全性向上対策強化事業では、安全フレームを後付けするトラクター所有者に、利用実態や安全意識を調査する。ヘルメット着用の推進も同時に進める。
 

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