[新型コロナ] 緊急事態解除で直売所、観光農園 日常に向け一歩ずつ「でも、対策しっかり」

感染予防策を取り営業を続けてきたJAきみつの直売所。短縮していた営業時間を延ばす方向だ(千葉県君津市で4月撮影)

 5都道県で緊急事態宣言が解除になったことを受け首都圏では26日、JAが短縮していた直売所の営業時間を延ばしたり、学校給食用の米の出荷を始めるなど、徐々に日常に戻す動きが出始めた。「やっと再開」とほっとする声がある一方で、まだ感染者数がゼロではなく、引き続き感染防止対策を徹底しながらの再開となる。北海道でも農家レストランの再開の動きはあるものの、需要期の夏場に観光客が戻るか先行きは不透明だ。
 

営業再開そろり


 千葉県のJAきみつの担当者は「日常に徐々に戻していく一歩だ」と受け止める。宣言解除を受けて、期間中早めていた3カ所の直売所の閉店時間を、6月から徐々に戻していく。JAは、直売所の来店客向けにアルコール消毒やマスク着用を呼び掛け、職員には手袋、マスク、フェースガードを着け、感染予防対策を徹底して営業を続けてきた。

 宣言期間中は、通常午後6時の閉店時間を平日は午後5時、土・日・祝日は午後3時に早めていたが、6月からは土・日・祝日も午後5時に延ばす。
 

一部給食米提供再開へ


 6月15日から管内の君津市、富津市、袖ケ浦市の小・中学校などで米飯など通常の給食を再開することから、学校給食用米の提供を再開する。化学農薬と化学肥料を慣行の半分以下で栽培し、県が「ちばエコ農産物」として認証したものだ。県内の一斉休校を受け、直売所で在庫分を販売して好評だった。JA直売課の市原喜春課長は「宣言解除で普通の生活に戻るのはいいことだが、今こそきちっと感染防止対策をしないといけない。その上で大切な食の提供をしっかりとやっていきたい」と強調する。

 北海道北広島市のホクレン「くるるの杜(もり)」は、「3密」を防ぐため4月中旬以降、農畜産物直売所の時短営業や、農家レストランの休業など感染拡大防止策を取ってきた。

 宣言が解除されたことを受け、直売所は26日から通常営業となり、農家レストランは6月5日から再開する予定だ。カフェもテークアウト形式にして従業員と顧客の接触頻度を減らすなど配慮し、同6日から始める。「解除されたといっても感染者がゼロになったわけではない。引き続き万全の対策をとっていきたい」と話す。
 

客足戻るか不安拭えず


 夏場の観光客が取り戻せるか、観光牧場では不安を抱える。北海道帯広市のリバティヒル広瀬牧場は乳牛約170頭を飼育する傍ら、ジェラート、アイスを約150種類販売し観光客などに人気だ。酪農体験なども実施し、昨年は約3000人が訪れている。

 今年は3月20日から営業を始めたが、新型コロナウイルスの感染拡大で3月の売り上げは前年同月比17%減、4月は同54%減と影響が出ている。夏が最もにぎわいを見せるが、廣瀬文彦代表(68)は「今後1年間が不安だ」と吐露する。

 昨年は地元、十勝地方を舞台にしたNHKの連続テレビ小説「なつぞら」が放映され多くの人が訪れた。しかし、今年はキャンセルが続き、酪農体験などの申し込み相談が数件にとどまる。

 3年前に息子夫婦に牧場を経営移譲し、現在は牧場内でジェラートなどを販売する「ウエモンズハート」の運営や、道内外の小・中学生らに酪農を体験してもらう「十勝農楽校」を開く文彦さんは、影響の長期化を懸念する。店舗ではイートインスペースの撤去、ソーシャルディスタンシングの徹底など「3密」を避ける努力を続けるが、先が見えず不安が募る。「来年度以降も営業できるよう頑張りたい」と話す。
 

当面休業続く 東京都内 アンテナショップ


 東京都内にある各県のアンテナショップではまだ休業を続けている所も多い。東京・銀座にある茨城県のアンテナショップ「イバラキセンス」は、4月8日から飲食や物販など全てで臨時休業を続けており、当面の間は休業を続けるとしている。

 東京都墨田区の商業施設、東京ソラマチ内にある栃木県のアンテナショップ「とちまるショップ」も休業中だ。

 ランチ営業をする関東の農家レストランは「検査数が少ないから感染者数が少ないのも当たり前で、宣言解除は早かったのではないか。客足はすぐには戻らないだろう」と冷静だ。
 

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