[新型コロナ] 和子牛50万円台続出 6カ月連続下落 5月取引

 新型コロナウイルス禍の影響で、和牛子牛価格の下落が深刻さを増している。5月の取引は全国主要家畜市場の3割以上で1頭当たり価格が50万円台に落ち込んだ。全国平均価格も約62万円に低迷し、6カ月連続で前月を下回る異例の展開だ。産地からは「地域ごとの実態に合わせた有効な支援が必要」との声が上がっている。

 JA全農がまとめた全国の主要家畜市場の取引結果によると、1頭平均価格は前月比4%、前年同月比22%安の61万8170円。新型コロナ禍で和牛枝肉相場の低迷が長期化。購買者の肥育農家の経営は厳しさを増し、3月以降、子牛価格も過去5年の最安水準だ。

 取引のあった43市場のうち60万円を割り込んだのは15市場で、4月(13市場)より増えた。地域別に多かったのが東北で、7市場中4市場が50万円台。岩手県南家畜市場が前月比12%安の57万5788円、青森県家畜市場が同5%安の57万7697円など。東北のJA関係者は「管内の繁殖農家の6割が60代以上。気落ちしている高齢農家も多く、価格回復に結び付く有効な支援策が欠かせない」と話す。

 沖縄県は全4市場が60万円を下回った。石垣島にある八重山家畜市場は、同11%安の49万9365円と全国で唯一50万円を割った。新型コロナ禍で購買者数が少なかったことなどが響いた。

 石垣島和牛改良組合女性部の宮良妙子部長は「防疫体制の強化など良い子牛を出荷するため一丸で努力を続けている。輸送費など離島特有の状況にも配慮した経営安定対策をお願いしたい」と強調する。JAおきなわは、クラウドファンディングを活用した「JA石垣牛」の消費拡大企画などを展開し、畜産経営の下支えを目指す。
 

支援柔軟に


 政府は、2020年度第2次補正予算で繁殖農家向けの支援策を措置。黒毛和種の子牛では、月別の全国平均価格が60万円を下回った場合に1頭当たり1万円、57万円で同3万円の奨励金を交付するなど支援に動く。

 交付は畜舎の環境改善や経営分析に取り組むなどが条件。支援策を歓迎する声がある一方、「新たな投資や労力が必要で、小規模な高齢農家らにはハードルが高い」(産地関係者)との指摘もあり、有効な支援策として機能するかどうか注視が必要だ。
 

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