サツマイモ基腐病猛威 対策手探り 焼酎生産に影響 鹿児島
2020年11月29日

サツマイモ基腐病の影響を受けた畑。つるが変色し、枯れている(鹿児島県鹿屋市で)
鹿児島県でサツマイモ基腐病の被害が深刻化している。県は焼酎やでんぷん原料に使うサツマイモの主産地だが、微発生も含めて県内で栽培する半数以上の畑で感染が確認された。生産量の減少が、焼酎の生産など実需にも影響を与えている。
県によると、2020年産は各地で同病の被害が前年を上回って発生。県内の栽培面積の……
県によると、2020年産は各地で同病の被害が前年を上回って発生。県内の栽培面積の……
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農業分野の技能実習生 1~3月2000人予定 人手不足を懸念 入国停止で農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、1~3月に来日を予定していた農業分野の外国人技能実習生らが約2000人に上ると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、技能実習生を含む外国人の新規入国は停止中で、生産現場の人手不足が問題となる可能性がある。野上農相は影響を注視しつつ、代替人材の確保を後押しする考えを示した。
昨年12月末時点で今年1~3月に来日予定だった技能実習生らの数を、都道府県やJAなどに聞き取ってまとめた。昨年もコロナ禍による入国制限で3~9月に技能実習生ら約2900人が来日できず、人手不足となる農業経営が出ている。
野上農相は会見で「今後、日本にいる技能実習生らの在留延長や他産業からの雇用などによる代替人材の確保が必要になっていく」と指摘。代わりの人材の確保に必要な経費を支援する「農業労働力確保緊急支援事業」を通じて、生産現場を支える考えを示した。
政府は14日から緊急事態宣言の解除まで、例外的に認めていた技能実習生らビジネス関係者も含めて外国人の新規入国を一時停止している。
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2021年01月16日

「BUZZ MAFF」開設1年 若者に“刺さる”動画発信 自由な発想 総再生数610万回
動画投稿サイト「ユーチューブ」の農水省公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」が、初投稿から1年を迎えた。農林水産業の魅力を伝えるためなら“何でもあり”の動画を、ほぼ1日1本のペースで投稿。1年間の総再生回数は610万回を超えた。農業への関心が薄かった若者を含め、広く情報を発信している。
サツマイモの魅力を語り尽くす、堅い制度をラップで歌って説明、農業について学ぶアニメを一人で作成──。農林水産業の魅力を伝えるため、まずは興味を持ってもらおうとの考えから、2020年1月7日に開始。職員が企画や撮影、編集まで自ら行い、従来では考えられなかったような自由な発想の動画を1年間で364本投稿した。
日本初の「官僚系ユーチューバー」と話題を集めるだけでなく、新型コロナウイルス禍で売り上げが減った花きの購入を呼び掛ける動画は86万回以上も再生され、需要の拡大にもつながった。同省は、記者会見動画などを投稿するチャンネルも08年から運営するが、1年当たりの平均再生回数は約130万回で、「ばずまふ」が大きく上回る。
「お気に入り」に当たるチャンネル登録者数も5万8000人を超えた。今後はチャンネル登録者数10万人を目標として活動に力を入れる他、全国の自治体などと連携したPRにも取り組む予定だ。同省は「(ばずまふで)普段なら届かない層にも政策を届けられた」(広報評価課)とする。
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2021年01月14日
作業安全週間を設定 2月16日から11日間 農水省
農水省は15日、2月16日から26日までを「農林水産業・食品産業 作業安全推進Week」にすると発表した。期間中に安全対策に関するシンポジウムや情報交換の会議などを集中して企画。農業者らに、作業の安全対策は人ごとではなく自分事と捉え、安全・人命が全てに優先することを認識してもらう。同省が短期間に作業安全に関するイベントを集中させて続けるのは初めて。
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2021年01月16日
全国展開前提でない 企業農地取得 特例調査で農相
野上浩太郎農相は19日の閣議後記者会見で、国家戦略特区の兵庫県養父市で認めている企業による農地取得の特例を巡り、2021年度中に全国で実施する特例のニーズや問題点に関する調査は「全国展開を前提にするものではない」との認識を示した。養父市での期限延長については「今後も複数の企業が活用する可能性がある」として、容認する考えを示した。……
2021年01月20日
焼け焦げたがれき、白い花束、線香のにおい、手を合わせる人
焼け焦げたがれき、白い花束、線香のにおい、手を合わせる人▼1995年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災の記憶である。大火災に襲われた神戸市長田区を取材した。あれから26年。町並みは復興しても災害は続いていることを『希望を握りしめて 阪神淡路大震災から25年を語りあう』で知る。高齢化する復興住宅と孤独死、心身に障害を負った「震災障害者」とその家族の苦しみ…▼編者の牧秀一さんは「よろず相談室」を立ち上げ、被災者を訪問し、生活支援を続けてきた。本書はその活動の記録と被災者の人生の証言集。「ひとときでも話し相手になることは、『置き去りにされていない』と実感できる時間になる。少しでも気持ちが晴れれば、少しずつ前を向けるようになる。そう信じてやってきた」。遠くにいても手紙を書くことがつながり続ける支援になるという▼東日本大震災をはじめその後も震災は相次ぎ、気象災害は頻発。コロナのような疫病は世界同時災害をもたらす。一方でボランティアや寄付、クラウドファンディング、ふるさと納税、応援消費など支援の仕方は多様化し、ネットの普及でつながり方も広がった▼誰もが被災者になり、誰もが支え手になれる時代。大切なのは「お互いさま」の精神と「忘れない」との思いだろう。
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2021年01月17日
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雪害ネギ農家 仲間が救う SNSで販促 完売 富山
降り続いた大雪でビニールハウスが全半壊した入善町吉原の農業法人「(株)Stay gold てらだファーム」の力になろうと、知り合いの飲食店・酒店店主らが、被害を免れたネギの販売を支援した。インターネット交流サイト(SNS)で支援の輪を広げネギは完売。寺田晴美社長は「被害は大きかったが、新たな出会いもあった。前を向いて歩んでいきたい」と話す。
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2021年01月20日

高齢農家の梨運搬を支援 農業用にロボ改良へ 山口東京理科大や県など
東京貿易マシナリーと山口県農林総合技術センター、山陽小野田市立山口東京理科大学は、運搬支援ロボットによる梨栽培の効率化と軽労化に向けた共同研究契約を締結した。収穫した果実や肥料、剪定(せんてい)枝などをロボットに載せて運び、作業者の負担を軽減する。スマート農業の導入で、高齢化が進む地域の安定経営を目指す。……
2021年01月20日
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群馬県沼田市で農福連携を進める稲姫ファームと、障害者の就労支援や生活訓練などに取り組む多機能型事業所coco―kara(ココカラ)が、ドローン(小型無人飛行機)を使った米作りを試験的に始める。1ヘクタールほどの水田で「コシヒカリ」の鉄コーティング種子を直播(ちょくは)する他、除草剤の散布などに使う予定だ。……
2021年01月19日

「発酵乳」作り方開発 子牛の下痢軽減 北海道大学大学院など 動画を公開
北海道大学大学院などの研究グループは18日、粉ミルクを発酵させた「発酵代用乳(FMR)」を安定して作る方法を開発したと発表した。子牛に与えたところ下痢症を軽減。“牛用のヨーグルト”である発酵乳は、子牛の下痢対策に有効といわれてきたが、原料に生乳や初乳を使うために発酵品質が安定しないのが課題だった。作り方を動画投稿サイトで公開し、健康な子牛の育成に役立ててほしいと期待する。
FMRの材料とする代用乳は脂肪分20%以上の製品を勧め、安定して発酵させるために湯で3・5倍に薄める。7リットル作る場合は、代用乳2キロをふた付きのバケツに入れて乳酸菌製剤を70グラム(全量の1%)、50度のお湯を5リットル投入。泡立て器で撹拌(かくはん)した後、ふたをして20~25度の室温に保てる場所に置く。1日1回撹拌し、1、2日で完成する。水素イオン指数(pH)5・3以下が目安だ。
完成したFMRは濃いため、さらに湯で倍に薄めて与える。1回の給与量の目安は体重の5%。体重40キロの子牛の場合は2リットル与えるため、代用乳を3・5倍に薄めて発酵させたFMR1リットルとお湯1リットルを混ぜ、40度に温めて与える。
研究グループは、開発したFMRを生後0~3日齢の子牛に毎日哺乳。実験的にロタウイルスに感染させたところ、下痢症は起きたが、重篤な水様性下痢はほとんどなく症状を抑えたという。
ロタウイルスやクリプトスポリジウムによる下痢が発生していた農場の子牛では、代用乳を与えた子牛よりも腸炎の発生数や死亡例が半分以下に減った。さらに、FMRを与えた子牛は、下痢を発症しても治療期間が短くなり診療回数や治療費が抑えられたという。
同大学院によると、子牛は免疫機能が未熟のため細菌やウイルス、寄生虫による感染性の下痢にかかりやすく、死ぬこともある。対策の一つとして、乳酸菌やビフィズス菌など有益な微生物を含む発酵乳が長年利用されてきたが、一部の農家に限られるという。生乳や初乳の発酵過程で雑菌が増えて安定しないことなどが課題だった。
FMRを子牛の哺乳に利用した報告はあったが、下痢の症状を軽減する効果は検証されていなかった。FMRの作り方は動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。今後は下痢症だけでなく、他の疾病に対する効果も検証していく。
研究は同大学院獣医学研究院とNOSAI道東、北海道立総合研究機構畜産試験場、雪印種苗が共同で研究した。
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2021年01月19日
種豚改良に育種価活用 繁殖能力向上へランキング公表 国純会、今春めど
種豚場など国内の豚の育種・改良関係者らでつくる国産純粋種豚改良協議会(国純会)は「種豚の遺伝能力ランキング」を今春にも公表する。生存産子数など繁殖に関する能力の順位で、ランドレース、大ヨークシャー、デュロックが対象。雄は上位10頭、雌は上位50頭の順位の他、将来は産肉能力に関する育種価を示し、国産種豚の改良を促す。
国内の養豚場では、オランダやデンマークから輸入した多産系の種豚が急速に普及。……
2021年01月18日

種子繁殖イチゴ 民間企業で初開発 育苗期間を半減 ミヨシグループ
種苗会社のミヨシグループは15日、日本の民間企業では初となるF1種子イチゴを開発したと発表した。国内向けに2品種を展開する。種子系品種はランナーで増殖する品種と比べて育苗期間が半減でき、省力化や病害虫リスクの軽減、コスト削減などが見込める。農家が果実の品質を見るための試作用苗を今秋に販売する。同日から予約受け付けを始めた。
輸送性も良好 今秋、試作苗販売
同社は高品質なイチゴの安定収穫や作業負荷の軽減を目指し、7年をかけて種子系品種の開発に取り組んだ。……
2021年01月16日

施設キュウリで 葉面積指数を活用 収量予測めざす 愛知・JA西三河
施設キュウリを栽培する愛知県のJA西三河きゅうり部会は、40人の全部会員が圃場(ほじょう)に葉面積指数を計測するLAI計測センサーを設置した。施設キュウリの生産者が導入するのは全国でも珍しい。樹勢やかん水の目安に役立て、将来的には収量予測への活用を目指す。
LAI計測センサーは植物群落の上下に照度センサーを設置し、上下の散乱光を採光する装置。葉が繁茂する状態によって上下の散乱光の光量比が変わる原理を活用し、自動で継続的に葉面積指数を計測する。静岡県農林技術研究所のトマトでの研究成果を基に、キュウリの葉面積指数を計測できるようにした。
センサーは昨年12月、開発したIT工房ZやJAあいち経済連、JAの担当者が圃場を巡回して設置作業に当たった。
農水省2019年度スマート農業技術の開発・実証プロジェクトを通じて実用化した装置で、新型コロナウイルスの影響を克服するための「経営継続補助金」を活用して全部会員が導入。産地全体でスマート農業を加速化させる。
JA営農企画課の大島健一課長補佐は「産地全体の栽培技術の高度化を図ることができる。LAI計測データを使って収量を予測し、販売にもつなげていきたい。他品目への応用にも期待している」と話す。一部の部会員は、生育の最適化に向けて排液カウンターや流量センサーの取り付けも行った。
部会は15年から、他産地に先駆けて部会全体で農業用情報通信技術(ICT)ツールを積極的に活用。導入以後、10アール当たりの収量・販売金額は約15%向上した。技術力の高い農家による栽培環境・肥培管理のノウハウを共有し、産地のレベルアップを図っている。
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2021年01月15日
稲わら還元+牛ふん堆肥10アール1トン カリ施用不要に 農研機構
農研機構は14日、水稲の元肥施用で、前作の稲わらを水田に還元して牛ふん堆肥を10アール1トン以上まけば、カリを施用する必要がないことを明らかにした。土壌診断でカリが一定程度あれば、稲わらの還元だけでも半減できるという。カリの減肥に向けた指針をまとめて同機構のホームページで公開し、施肥コストの削減に期待する。
同日公表した「水田土壌のカリ収支を踏まえた水稲のカリ適正施用指針」で明らかにした。……
2021年01月15日
チバクロバネキノコバエ イチゴで特殊報福島県内初めて
福島県病害虫防除所は14日、いわき市のイチゴ圃場(ほじょう)でチバクロバネキノコバエの被害を県内で初めて確認し、特殊報第3号を発表した。イチゴへの被害は長野、茨城県などに続き7県目。……
2021年01月15日

レモン新品種「璃(り)の香(か)」初収穫 かいよう病への強さ確認 静岡県東伊豆町 白鳥岳寿さん
静岡県東伊豆町のかんきつ専作農家、白鳥岳寿さん(64)は、難防除病害のかいよう病に強いレモン新品種「璃の香」を今シーズン初収穫した。同病に強いとされる主力のニューサマーオレンジ(日向夏)は一昨年の台風の影響で発病したが、「璃の香」は発生せず、同病に対する強さを実感している。……
2021年01月14日