対米貿易交渉 「農業先行」けん制 自動車とパッケージ 農相

 日米両政府は20日(日本時間21日)、米ワシントンで貿易協定交渉の事務レベル協議を始めた。初日の自動車など工業分野に続き、25日には東京都内で農産品について協議する。米国側が農産品の早期合意に強い意欲を示す中、吉川貴盛農相は21日の閣議後会見で「パッケージで決められるもの」と米国側をけん制した。農業、自動車両分野で依然として隔たりがあり、月末の閣僚協議、首脳会談に向けて、どこまで論点を整理できるかは不透明だ。

 日本側は、農産品を環太平洋連携協定(TPP)水準で開放するには、米国側もTPPで約束した通り、自動車・同部品など工業製品の関税を最終的に撤廃するべきだとの立場。今回の協議でも、工業製品に対する関税の早期撤廃を求める立場を伝えたとみられる。

 ただ、トランプ大統領は、製造業復活を掲げて大統領再選への選挙運動を本格化させた。自動車などの製造業が盛んな州は激戦が見込まれ、選挙動向を左右するだけに協議は難航しそうだ。

 25日の農産品の協議は東京都内で開く予定。吉川農相は「極めて事務的な論点整理になる」との見通しを示し、協議を「しっかり注視したい」と述べた。

 一方、農産品を巡り、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は18、19日(現地時間)の米国議会の公聴会で、農産品を優先して協議し、早期にTPP水準での開放を目指す考えを示した。TPPの発効などを踏まえ、米議会からも農産品の早期合意を求める声が強まっている。

 こうした状況を踏まえ、吉川農相は「早期に成果を出したいということは、日米双方で一致をしている」とした上で、「どこか特定の分野を先にやるわけではない」と強調。農産品や自動車などを含め、全体としてのパッケージ合意となることを強調した。

 トランプ氏は20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて来日し、安倍晋三首相と会談、貿易交渉について議論する見通しだ。

 これに先立ち、茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー氏は日本で閣僚協議に臨む。
 

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