住民1割が狩猟免許取得 自分の農地自分で守る 岩手県平泉町戸河内集落

山林で獣道にくくりわなを設置する菅原さん(岩手県平泉町で)

 岩手県平泉町の戸河内集落の農家らがまとまって狩猟免許を取得し、鳥獣害対策に乗り出した。人里に現れるイノシシや鹿が増えて田畑を荒らされる被害が増える中、69戸が暮らす同集落の7人がここ3年でわな猟免許を取得。猟友会の狩猟者に指導を受けながら、捕獲頭数増加を目指す。

 戸河内集落は人口のおよそ半分が65歳以上の高齢者だ。同町では2016年度に6人、17年度9人、18年度は9人が主にわな猟免許を取得した。

 4ヘクタールで水稲を営む自治会長の菅原悦朗さん(70)は、近年イノシシに集落内の田畑が荒らされる頻度が高まったことを受け、集落内の農家に免許取得を呼び掛けた。自身も16年度にわな猟免許、昨年は空気銃を扱う第2種銃猟免許を取得。自宅近くの山林に、くくりわなを設置している。

 集団での免許取得について菅原さんは「地域の人がわなを設置できるかで(鳥獣害対策の成果が)大きく変わってくると思った」と振り返る。4月から7月末まででイノシシ14頭、鹿6頭などがわなにかかった。

 約60ヘクタールの山地で林業を営む千葉繁明さん(36)も16年度にわな猟免許と第1種銃猟免許を取得した。「地域に貢献したいという思いがあった。被害拡大を防げるよう尽力したい」と意気込む。今年1月には猟犬2匹を加え、今後も狩猟に力を入れていく。

 行政も農家の挑戦を後押しする。同町は試験会場までの無料送迎をし、県は免許更新料の半額助成などで支援する。

 同集落で狩猟歴約20年のベテラン狩猟者、沼田秀夫さん(69)は新規に狩猟免許を取得した農家らにわなの設置方法を教えるなどサポートをしてきた。沼田さんは「人里に現れる獣が増え、自分の農地は自分で守らなければという農家の意識が高まっている」と、新人猟師を応援する。
 

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