イノシシ捕獲 重点エリア財政支援 県配分の上限撤廃 日当払いへ誘導 農水省

 農水省は、豚コレラ感染の拡大要因となっている野生イノシシの捕獲を後押しするため、捕獲重点エリアがある21都府県への財政支援を強化することを決めた。捕獲頭数に応じたこれまでの支援に加え、捕獲者への日当支払いを念頭に置き、都府県が財源を確保できるよう鳥獣被害防止総合対策交付金の配分上限額を撤廃する。

 豚コレラは、ウイルスに感染した野生イノシシが広範囲にわたって移動することでウイルスも広がってしまい、感染地域拡大に結び付いている。

 豚コレラの終息を目指す中で同省は、野生イノシシの捕獲を今以上に推進する必要があると判断。同交付金では、わな設置の研修など鳥獣被害対策事業の財源として、都道府県当たり年間2300万円を上限に交付している。この上限を捕獲重点エリアがある21都府県で撤廃する。

 同交付金の2019年度予算額102億円の範囲内で追加で配分し、捕獲者に支払う日当の財源としての活用を提案している。実際の日当単価などは都府県が決める。

 イノシシの捕獲に当たっては山間部を広範囲に捜索する必要があり、捕獲者の負担を減らして頭数を伸ばしていくには人員の確保が欠かせない。

 同省は「野生イノシシの捕獲強化は、豚コレラ対策の重要な柱の一つ。できる限り多くの捕獲者が参加するよう後押ししたい」(鳥獣対策室)と考える。

 同省は昨年度、豚コレラの感染が確認された愛知、岐阜両県の交付額の上限を撤廃。愛知県は独自に捕獲者への日当の支払いを導入した。同省によるとイノシシの捕獲量は増えたという。こうした事例を参考にして、交付額の上限撤廃の範囲を広げた。

 同交付金では、野生イノシシの捕獲者に1頭当たり7000~9000円を支払っているが、過去に手続きに不正が発生。実際に捕獲したかを地方自治体が書類で確認する場合、写真に加え、尻尾の提出を義務付けている。今回新たに加わる日当支払いでも、適切な運用が求められる。
 

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