[北海道・JA北ひびき移動編集局] 直営組織が延べ7200ヘクタール作業受託 家族経営 多彩に支援 大豆トップ産地維持

堆肥をまく農事組合法人あさひの構成員。作業を受託し、地域の農地を守る(北海道士別市で)

 北海道のJA北ひびきは、JA直営のコントラクター(作業受託組織)や地域の農業法人が家族経営農家の営農を支援し、生産を支えている。全国一の生産量を誇る大豆、小麦などの畑作物を中心に播種(はしゅ)や防除などを受託。地域に欠かせない存在で、収穫作業の半数以上を担う組織もある。担い手不足などに備えJAは新たなコントラクターの設立を検討するなど、地域一丸で農業生産の維持・発展を目指す。

 JA管内の士別市と剣淵町、和寒町は農業が基幹産業。水稲を主体に畑作物や野菜を栽培する。組合員数が減少する中、約2万4000ヘクタールの耕地面積を各農家の規模拡大で維持してきた。1戸当たりの作付面積は2018年に21ヘクタールと、15年間で1・7倍に拡大。近年は大豆や小麦などの省力的な畑作物の面積が拡大している。

 JAは、和寒基幹支所と剣淵基幹支所で数十年前からコントラクター事業を続けている。汎用(はんよう)コンバインやテンサイ収穫機、無人ヘリコプターなどを所有し、幅広い品目に対応。無人ヘリの操作は若い担い手に依頼し、免許取得も後押しする。

 大豆や小麦、ソバの収穫では18年、剣淵基幹支所管内が3品目の収穫面積計2700ヘクタールのうち約3割、和寒基幹支所が同1480ヘクタールのうち約半分を担う。播種や防除なども含め、両支所合計で延べ約7200ヘクタールを請け負った。作業委託で農家は特産のカボチャなどの生産振興に力を入れられる。JAは「後継者不在の生産者は機械更新をためらう。作業支援で、意欲を持って農業生産に携わってもらうことが農地と地域の維持につながる」(和寒基幹支所)と話す。

 士別市のJA朝日支所管内では、農事組合法人あさひが農作業を受託する。05年に法人化し、18年は大豆の収穫180ヘクタール、播種60ヘクタール、牧草収穫120ヘクタール、防除260ヘクタールなどを約10人体制で行う。管内約100戸のうち8割が何らかの作業を同法人に委託。法人でも大豆やニンニクなどを約100ヘクタール栽培する。法人運営を担う藤田卓雄事務局長は「家族で農業経営できる環境づくりが必要」と強調する。法人には新規就農を目指す若手も在籍。将来の担い手として作業に励む。藤田事務局長は「ホームページ開設など情報発信して担い手育成に力を入れたい」と話す。

 JAは、高齢化や労働力不足が深刻化する中、昨年11月に「地域農業支援体制検討プロジェクト」を設置した。JAのコントラクターや既存の農業法人の余力を把握するため、組合員全戸を対象に意向を調査。新たなコントラクターの立ち上げを含め協議し、21年までに実行に移す考えだ。JAは「既存組織の稼働余力は限りがある。営農支援の必要性は高く、対応を進めたい」(営農部)と意気込む。
 

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