言葉は面白い。使い方を誤れば失言となり、人の心に響けば格言ともなる

 言葉は面白い。使い方を誤れば失言となり、人の心に響けば格言ともなる▼しばしば話題になるのが政治家の失言。安倍政権の閣僚による英語民間試験を巡る「身の丈」や「私は雨男。就任後台風が三つ」は記憶に新しい。語った閣僚は謝罪や撤回に追い込まれた。自民党は今年5月、国会議員に失言防止マニュアルを配ったが、ポケットにしまい込んだままだったのかも知れない▼東西冷戦下の1961年1月。ケネディー米大統領は就任演説で、両陣営が協力し圧政、貧困、病気、戦争と対抗する世界的同盟の構想を語り、こう呼び掛けた。「諸君が国家のために何ができるのかを問うてほしい」。政権発足から100日間はハネムーン期間。その後は成果が問われる。それでもケネディーは生涯果たせないかもしれないと前置きした上で行動を訴え、共感を集めた▼『広辞苑』第7版によると、日本人は古来、言葉に「不思議な霊威」が宿っていると考えていた。それを「言霊」と呼び、万葉集はこの国を言葉の力で幸せがもたらされる「言霊の幸はふ国(さきわうくに)」として描く。一言一言を大切にできているか。思いを伝えられているか。届ける語彙(ごい)を紡ぎ出す心の泉は枯れていないか▼読書の秋。魂が揺さぶられる言葉を探し求める心の旅もまた楽しい。

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