JA事務効率化 デジタル化で職場改革

 働き方改革が問われている。JAも企業と同様に、労働生産性と従業員満足度を高めていかなければ、経営の安定も意欲ある職員の確保も難しい。そのためにはまず、日常業務の効率化が必須だ。改善効果の高いロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を活用し、働きがいのある職場づくりを進めたい。

 JA職員の仕事実態を見ると、紙と電話とファクスへの依存度が高い。これに対し企業の世界では、情報通信技術(ICT)を使った業務のデジタル化が急ピッチで進む。インターネット交流サイト(SNS)での従業員間の打ち合わせやネット会議は当たり前。パソコン事務の自動化、顧客データの活用、人工知能(AI)による業務改善にも積極的だ。このままではJAの職場はさながら「旧人類化」することが心配される。

 業務のデジタル化に向けてやるべき課題は多いが、取り組みやすいのはRPAを使った効率化である。高齢の組合員が多いため、JAの業務は手書きの注文書でのやり取りが一般的だ。それを職員がパソコンで購買システムにデータ入力するが、繁忙期ではその作業に忙殺されるといったことが起こる。

 こうした事務作業を軽減するのがRPAだ。手書きの注文書をスキャナーで読み取り、光学式文字読み取り装置(OCR)でデータ化する。これだけでも人力頼みの入力作業を大幅に効率化できる。データを使ってのさまざまなパソコン事務は、PRAを使えば自動化できる。

 RPAは元々、ホワイトカラーの仕事を効率化するためのシステムである。データ入力以外にも、データの加工処理、正誤照合といった仕事で威力を発揮する。高度なプログラミングはできないが、やり方が決まっている定型業務、繰り返しの業務といった分野に向いている。

 数年前にメガバンクの事務部門で活用が始まり、一般の企業でも広く導入が進む。JAでの普及は遅れていたが、JA山口県下関統括本部が2018年に始め、資材の予約注文の入力時間を8割削減するといった活用実績を上げた。現在、営農指導や信用渉外力の強化、内部統制の効率化など、幅広い業務の改善を目指すプロジェクトが稼働している。

 メリットは事務効率化だけではない、同本部は生産部会の会員一人一人にその人だけの営農指導書を作成し、数字に基づく経営相談を実施。会員から喜ばれている。RPAで資料作成のプログラムを組み、営農指導員に負荷をかけずに作ることができる。資料作りに費やす時間を現場での営農指導の仕事に振り向けられることは、本人の意欲向上にもなる。働き方改革にまでつながった事例といえる。

 国産のRPAなら、導入費用はさほど高くはない。同本部には全国各地のJAから視察が相次いでいる。横展開による意欲の高い職場づくりを期待する。

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