飢餓の時代を生き抜いた人間には食べたエネルギーを体内に蓄積するDNAが備わった

 飢餓の時代を生き抜いた人間には食べたエネルギーを体内に蓄積するDNAが備わった。その遺伝子に手こずる昨今である▼忘年会から新年会と続いた食べ過ぎ飲み過ぎでベルトがきつい。こうなると元に戻すのが一苦労である。簡単に痩せられる方法はないかと書店を物色したら『月曜断食』(関口賢著=文藝春秋)が目に入った。副題に「究極の健康法でみるみる痩せる!」とある。週1回食を絶つダイエット。こうなる前に節制しておけばよかったと後悔が募る▼もう一つの“過食”も侮れない。朝から晩までスマホ漬けで情報摂取量は半端じゃない。「頭の奥深くまでネットに鷲(わし)づかみにされて、体が悲鳴を上げている」。小説家の藤原智美さんの『スマホ断食』(潮出版社)にある。試しにスマホを持たずに外出すると手持ち無沙汰と不安にさいなまれる。一種の中毒症状だろう▼背広姿のサラリーマンが新聞を広げて読みふけった朝の通勤電車の風景は今は昔。座ってる人も立っている人もスマホにくぎ付けである。ニュース、動画、ゲーム、小説。手のひらサイズの小さな画面から電子化できるものは何でも手に入る。まるで玉手箱。いつの間にか情報に溺れる▼飢餓に備えた体に過食は禁物。〈過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如(ごと)し〉が身に染みる。
 

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは