支援米足りぬ 困窮者2万人に食料提供 名古屋のNPO在庫底付き困惑

保管する米を確認する山内さん。例年になく少ないため、寄付を呼び掛ける(名古屋市北区で)

農家に寄付呼び掛け


 NPO法人セカンドハーベスト名古屋(名古屋市)は、生活に困り食品の支援を希望する人に、個人や企業から寄付された食品を支援している。行政と連携して米や缶詰、調味料などの詰め合わせを送付するが、今年度は米の寄付が例年に比べて極端に少ない。法人は、米の寄付や支援を呼び掛けている。(木村薫)

 同法人は東海3県(岐阜、愛知、三重)の行政と連携し、年間2万人に食料品を届けている。生活困窮者が市役所などの相談窓口に食料の援助を求めると、同法人に個人情報が届く。法人は世帯人数や年齢、国籍、調理手段などの情報を基に、1回につき1カ月分の食料を宅配便で送る。

 子どもがいる家庭には菓子を多めに入れたり、調理でガスが使えない場合は缶詰や災害時の非常食を詰めたり、家族構成や生活環境によって食品を変える。主食になる米は精米し、1人当たり5キロを詰めている。

 法人には毎年、米の収穫前後の8~12月にかけて、前年産の古米が届く。知人からの紹介や、新聞・ラジオなどでの発信を通して500~600人の農家・団体から、年間では25トン(玄米)が寄付されている。

 例年、寄付してもらう農家や団体には手紙を送って寄付を呼び掛けているが、今年度は現時点で10トンにとどまる。同法人理事長の山内大輔さん(37)は「一番必要な米が足りていない。このままでは今年の春に在庫がなくなり、寄付金で米を買うことになってしまう」と話す。

 山内さんは米卸や商社に協力を仰ぐが、足りていない。「これまで寄付した農家で古米がなくなったことや、今年産の収穫量が下がり古米が出てこなくなったのではないか」と推測する。

 米を買うにも個人・企業からの寄付金は、法人の運営資金として活用し、食料品の配送料や米の保存庫の電気代などに充てている。米は他の地域でも不足気味で、関東を中心に生活困窮者を支援するNPO法人セカンドハーベストジャパン(東京都台東区)も「潤沢にある状況ではない」と話す。

 愛知県田原市で米6・5ヘクタールを栽培する農業法人ゆたかわは、知人から法人で米が足りないと相談を受けて今年度、初めて古米30キロを寄付した。代表を務める石川卓哉さん(36)は「売り先がなく、たまたま在庫を抱えていた米があった。少しでも困っている人の協力になればと寄付した」と話す。

 セカンドハーベスト名古屋の山内さんは「古米があれば、寄付してほしい」と呼び掛ける。古米は17年産までを受け付ける。米を寄付したい場合は同法人に直接持参するか、寄付する人の負担で送付する。問い合わせはセカンドハーベスト名古屋、(電)052(913)6280。
 

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