新型肺炎打撃 業務用花き 下落続く 過去5年最安

今後のガーベラの販売動向に不安を感じる山本さん(静岡県浜松市で)

 新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた政府のイベント自粛要請を受け、洋花を中心に相場の下落が続いている。式典や宴会向けでキャンセルが相次ぎ、需要期にもかかわらず、2日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1本54円と平年比13%安で、過去5年で最も安い。イベント自粛は当面続く見込みで、今後の販売動向について産地や市場関係者からは不安の声が相次いでいる。

 日農平均価格の下げは5営業日連続だ。特にバラやユリ、トルコギキョウなど式典用の引きが強い洋花類を中心に需要が低下した。一輪挿しや謝恩会の商材として人気のガーベラやスイートピーも販売不振で価格を下げた。

 バラ(スタンダード)は1本91円と前市比5%安で平年比13%安。ガーベラは1本27円と前市比18%安で平年比でも18%安だった。

 今年は暖冬により産地で前進出荷した品目が多く、2月の全国の切り花価格は平年を下回って推移。価格が伸び悩む中、政府のイベント自粛要請が重なり、キャンセルが多発している。

 主に結婚式用を手掛ける東京の仲卸業者は「政府の宴会自粛要請後、キャンセルが相次いでいる。式は 来年を見据えての延期が多く、見通しが立たない。注文は 当初の半分ほどになるかもしれない」と肩を落とす。

 東京の生花卸は「入荷量が増える時期なのに、市場は閑散として物が余っている。生け花の展示会も中止が相次ぎ、桜やコデマリなど枝物やギフト関係も厳しい」と険しい表情を見せる。
 

産地から不安の声


 今後の販売動向について、産地からは不安の声が相次いでいる。JAあいち経済連の花き課担当者は「3月は大きな需要期だが、市場では注文のキャンセルがあると聞いている。洋花をはじめ今後の販売に打撃が大きい」と懸念を示す。

 農家も不安視する。静岡県浜松市でガーベラを栽培する山本素志さん(46)は「今のところ計画通りの出荷を続けているが、今後の価格動向が心配だ」と口にする。山本さんは、JAとぴあ浜松の生産者組織PCガーベラに所属し、全国に出荷している。3~5月は年間で最も出荷量が増え、特に3月の販売額は年間で2割を占める重要な時期だ。

 JAの花き販売センターの鈴木滋主任も「3月は年末と同様に重要な需要期で、本来あった需要が減り、先行きが見通せない」と漏らす。イベント自粛が相次ぐ中、山本さんは「こういう時だからこそ、家に飾って楽しんだり、花を宅配するなどして気持ちを届けたりしてほしい」と話す。

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