JA通常総会 新型コロナ対策万全に

 JAの通常総会・総代会シーズンに入った。JAの方針などを決める重要な機会だが、今年は猛威を振るう新型コロナウイルスの予防対策が肝要である。数百人規模の会議体だけに安全確保に万全を期し、会場で感染が広がったということのないよう細心の注意を払いたい。

 総会・総代会は組合の最高意思決定機関。事業年度ごとに開く通常総会・総代会では決算、事業報告や計画を審議、採決する。時期は年度終了から3カ月以内が多く、年度終了が12月末~3月末のJAでは3~6月にラッシュとなる。

 今年は例年と状況が異なる。新型コロナウイルスの発生だ。感染防止対策の一環で安倍晋三首相が2月26日、多数が集まるイベントの中止、延期や規模縮小を要請。一カ所に多数を招集する総会・総代会も検討・対応を迫られることになった。

 JAについて農水省は①延期し可能な時期に開催するのは法令・定款上問題ない②感染防止策として書面議決権行使を奨励することは差し支えない──とする文書を同月27日に都道府県に通知した。こうした文書は2011年3月の東日本大震災以来で、異例の対応となる。

 延期は対応策の一つだ。ただいつ終息するのかが見通せない中、新たな開催時期を設定しにくい。大会場を再び確保できる保証もない。こうした点を踏まえて開催を判断する場合は十分な予防策を検討、実施する。その際、接触・飛沫(ひまつ)感染が主で高齢者が重篤になりやすいことなど、新型コロナウイルスの特徴を理解しておくことが肝心だ。集団感染の防止が極めて重要で、政府の専門家会議の見解では、集団感染の条件は①換気の悪い密閉空間②人が密集③近距離での会話、発声──が重なった時だ。

 このため対策としては出席者にマスク着用や体温の報告を依頼。会場に消毒薬を置き、席は間を開け、換気をする。マイクも飛沫感染のリスクがあり注意が必要だ。運営ではあいさつの短縮化・省略や円滑な議事進行、関連行事中止で規模を最小限にする。キーワードは「うつされない」「持ち込まない」「広げない」。「神経質」との受け止めがあるかもしれないが、高齢組合員が多いこと、死亡例もあることを忘れてはならない。

 多数が集まるリスクを避けるには書面による議決権行使も選択肢の一つとなる。組合員に周知し、検討、活用してもらう。

 規模を縮小するなどし開催する場合も、質疑や修正提案の自粛につながらないようにしなければならない。総会・総代会は、JA自己改革や経営基盤強化の成果や課題、方針を共有する機会でもあり、JAによっては支店の統廃合計画や中長期計画など将来の姿を決める重要な場となる。説明と審議を尽くし、組合員の理解を得ていくことが重要だ。感染防止対策を徹底しながら、実りある総会・総代会となるよう工夫しよう。
 

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