小さな庭にバラが咲いた。真っ赤である

 小さな庭にバラが咲いた。真っ赤である▼小欄隣の『おはよう名歌と名句』に、〈極まれば赤は黒めき薔薇(ばら)盛り〉(佐瀬はま代)があった。選者の宮坂静生さんの解説は絶妙である。「最高に極まったときの赤が秘めた黒。私はその瞬間をすべての色が持つ最高の美しさだと思う」。確かに、真っ赤と思った花の塊は、黒が混ざり合っている。その黒みを帯びた赤に魅せられる▼きょうは仏の作家サン・テグジュペリの生誕の日。第二次世界大戦中に童話『星の王子さま』を書いて、世界に名をはせた。「一番大切なことは、目に見えない」。キツネに言われた王子は、星に残してきたバラに、思いを寄せる。その時、心が通い合う関係が幸せを広げると悟る。金や物に固執して、絆を忘れた大人への風刺でもあろう。世界的なベストセラーとなった▼「関係」と銘打つこちらも、絆への思いを込めたか。最近よく耳にする、「関係人口」である。都会に住みながら、農村や地域と多様に関わる人たち。総務省が使い始め、農水省も使うようになった。関係を持つうちに、心が通う。そして田園回帰にたどり着く▼名曲『バラが咲いた』(浜口庫之助作)には、「心のバラ」が出てくる。いつまでも散らない。都市と田園を結ぶ心にも、咲いてくれ。 
 

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