豪雨災害に警戒 命を守る備えは万全か

 集中豪雨が相次いで発生している。水害や土砂災害から命を守るための備えを改めて確認しよう。住んでいる地域でどんな危険があるか調べておく。新型コロナウイルス感染防止を意識した避難場所の選定や、食料や水、衛生用品、電気の確保などに万全を期す。地域を挙げた復旧の準備も進めたい。

 「線状降水帯」。この言葉が危険信号だ。近年、甚大な被害を記録したのが、2017年の九州北部豪雨と18年の西日本豪雨だ。気象庁によると、いずれも停滞する梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み続けたことなどで線状降水帯が形成。同じ場所に猛烈な雨が降り続いた。九州北部での先月末の豪雨の際も発生したとみられる。

 水害や土砂災害が地震と異なるのは、事前の情報収集で予測できることだ。平時には国土交通省や市町村が作成したハザードマップで、自分が住む地域が浸水や土砂災害警戒区域になっていないか確認しておきたい。

 避難は明るい時間帯を心掛けたい。大雨・洪水警報や土砂災害警戒情報に基づき河川の水位が上がる前にする。膝丈ほどの水深50センチを超えると成人男性でも歩くのが難しく、高齢者や子どもは30センチでも厳しくなる。冠水した道を歩く際は、杖や傘、長い棒で足元を確かめよう。濁った水で地面の状況が分からず溝にはまる危険がある。

 浸水や土砂災害で集落が孤立することもある。救援物資が届くまで最低3日かかるといわれ、その間を乗り切る水や食料の備えが必要だ。農村には井戸や畑の野菜などが豊富だが、被災直後には使えない場合もある。備蓄品の設置場所や使用方法などの確認も不可欠だ。水没を避けるため食料や保存容器は棚や台の上、2階といった高い場所に置く。水と電気の確保も欠かせない。3日分の水をためられるタンクや乾電池、できれば自家発電装置も準備したい。

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、避難所では3密(密閉、密集、密接)を避けることが課題だ。車中泊をする人の増加も懸念される。内閣府と観光庁によると、災害避難所として活用できるホテルや旅館などの宿泊施設が全国に1254、国の研修所などが約930ある。どの施設が該当するか確認しておこう。また可能な場合は、親戚や知人の家などへの非難も検討しておきたい。非常用持ち出し袋にはマスクや消毒液、体温計なども入れておく。

 復旧の準備も必要だ。農家はスコップやヘルメット、チェーンソー、パワーショベルなどの機器・機械を持っている。復旧に活用できる貴重な存在だ。自宅だけでなく、集落で誰が何を持っているのかを把握し情報を共有しておきたい。自らの身は自分で守り、また復旧・再建に取り組む「自助」に加え、地域の住民が助け合う「共助」が重要だ。復旧の速度が上がるはずだ。もちろん、行政による支援「公助」は欠かせない。

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