JA・大手企業連携 農業振興へ相乗効果を

 JAグループと大手企業との連携が相次いでいる。JA全農と農林中央金庫は、大手コンビニのファミリーマートに出資する。またJAグループとしてトヨタ自動車と協働する。互いの経営資源を生かし、農業と地域の振興に貢献する新たな事業・商品などを開発、JAの一層の役割発揮につなげるべきだ。

 ファミリーマートとの連携では、親会社の伊藤忠商事が同社を完全子会社した上で、全農と農林中金が株式の4・9%を取得する。提携するのは全農と農林中金だが、JAグループ全体で関わることで、より効果を高めたい。

 全国のJAの本支店・事業所を合わせた拠点数は約1万6700で、職員数は20万人。一方のファミリーマートも全国に1万6618店舗を構え、スタッフは20万人以上という。同社は基本理念の冒頭に「地域に寄り添う」ことを掲げ、地域密着を重視する。業態も店舗形態も全く違うが、JAグループと似ている部分も多い。全国ネットワークを持つほぼ同規模のグループ同士が連携することで、可能性が広がる。

 まずは国産の販路拡大だ。農産物を売るだけでなく、弁当や総菜に国産農産物を供給できる。全農が商品開発に関われば、地方の食材を使った新たな商品の販売を広げられる可能性がある。ファミリーマートの店舗ノウハウをJA購買店舗に活用することや、物流網の相互利用、JAグループの信用事業を活用した連携なども想定する。連携内容を決める上で、相乗効果を生む挑戦に期待したい。

 トヨタとの協働では、同社の掲げる電気自動車を核にした社会づくり構想に参加する。電気自動車や自動運転により高齢者の移動や宅配を支える構想で、JAグループも集出荷効率化や超小型車両活用などを描く。

 JAグループは、大手企業からも連携先として注目されている。国民に欠かせない食料生産・供給を担う日本最大の組織で、全国ネットワークを持ち、地域を支えているからだろう。

 JAグループは第28回全国大会決議の柱の一つに「連携による地域活性化への貢献」を掲げた。高齢化と過疎化が進む中で農村を含む地域をJAグループだけで支えることは難しい。行政も含め、多様な組織・団体、企業との連携は、持続可能な地域づくりにつながる。既存事業の効率化や、新事業の創出などを通じて、課題であるJAの経営基盤強化に役立つ可能性もある。

 ファミリーマート、トヨタとはまだ「手をつないだ」段階だ。何をするか、どう生かすか、重要なのはこれからである。地域に根差したJAグループらしく、農業・農村に利益をもたらし、生産基盤の強化や地域活性化につながる事業の具体化が求められる。国民生活の向上にも貢献し、結果としてJAグループの存在感や価値を高められる成果に期待したい。
 

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