デジタル活用 農家手助け 「スマート」=コスパ提示 補助金=ネット申請加速 農水省が方針

 政府がデジタル庁の創設を検討する中、農水省はデジタル技術を活用した生産現場の課題解決に乗り出す。農家の高齢化や人手不足を補うスマート農業では、導入の判断材料として費用対効果の分析データを農家に提供し、普及を推進。補助金の申請手続きは、2022年度までに全てオンラインでできるよう、取り組みを加速させる。

 政府は25年までに「担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践」することを成長戦略に掲げる。3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画でも、デジタル技術を活用した新たな農業への変革を提示。具体的に取り組む分野として、スマート農業、行政手続きの簡素化を挙げる。

 スマート農業は農作業の負担軽減の効果がある一方、導入コストに対するメリットが分かりづらい課題がある。同省と農研機構は今後、19年度から始めた実証プロジェクトの費用対効果の分析に入る。かかった費用、伸びた所得、削減できた労働時間などをデータで示し、農家に提供。導入する際の判断基準にできるようにする。

 農水省は21年度予算概算要求に、20年度当初予算比で40億円増の55億円を計上する「スマート農業総合推進対策事業」などを盛り込む。同事業では高価なスマート農機のシェアリング(共有)など、新たなサービスの実証も進める。

 行政手続きは、スマートフォンやインターネット上で補助金申請ができる同省の「共通申請サービス」の運用を進める。20年度は、認定農業者制度や経営所得安定対策の一部で運用を開始。22年度までに全ての申請で使えるようにする。21年度の概算要求にも、同86億円増の93億円を計上する。

 同省は、申請作業の簡素化によって「農家は経営に、JAは営農指導に集中できるようになる」(大臣官房デジタル戦略グループ)との考えだ。使い勝手を良くするため、簡潔で分かりやすい画面などを工夫するという。

 取り組みは、デジタル庁とも連携していく。同庁創設に向けて準備を進める内閣官房は農業分野について「これまで農水省が進めてきたスマート農業、行政手続きの簡素化を継続して進めていくことになる」(官房副長官補室)と話す。

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