農産物輸出拡大へ意欲 臨時国会で首相が所信表明

衆院本会議で所信表明をする菅首相(26日、国会で)

 第203臨時国会が26日召集され、菅義偉首相は衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説に臨んだ。「観光や農業改革などで地方への人の流れをつくり、地方の所得を増やす。地方を活性化し、日本経済を浮上させる」と表明。地方創生に向け、官房長官時代に力を入れた農産物輸出や農業改革を首相としても進める考えを示したが、農政で新たな方針を打ち出すことはなかった。今後の国会論戦での具体的な言及が焦点になる。
 

地方重視を強調 規制改革に全力


 首相は所信表明演説で、秋田県の農家出身だと改めて説明し、「活力ある地方をつくる」と強調。9月の自民党総裁選時から一貫して訴えてきた地方重視の姿勢をアピールした。

 農産物輸出を巡っては、新型コロナウイルス禍の中でも回復の動きが出ているとして「輸出額はまだまだ伸ばすことができる」と指摘した。2030年に輸出額を5兆円とする政府目標に向けて当面の輸出戦略を年末までに策定する方針を改めて示し、「早急に実行に移していく」と述べた。

 

 「これまでの農林水産業改革についても確実に進め、地方の成長につなげていく」とも述べた。行政の縦割りや既得権益、前例主義を打破して「規制改革を全力で進める」と改めて強く訴えた。ただ、携帯電話料金の引き下げや行政のデジタル化などの改革を強調し、農業分野での具体的な項目には触れなかった。

 貿易交渉を巡っては、多角的な自由貿易体制を維持・強化するとし、日英経済連携協定(EPA)を締結すると述べた。

 演説で首相は、コロナの感染拡大防止と経済を両立させる方針を強調し、経済動向を注視しながら「必要な対策を講じていく」と述べた。成長戦略の柱として経済と環境を好循環させる「グリーン社会の実現」を掲げ、50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言。東日本大震災については「一層のスピード感を持って復興・再生に取り組む」とした。

 臨時国会の会期は12月5日までの41日間。菅政権にとって、初の本格的な国会論戦となる。所信表明演説に対する各党の代表質問は、衆参で28~30日に行う。11月2日からは衆院予算委員会が始まる予定だ。


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