ついつい散財しがちな時節柄

 ついつい散財しがちな時節柄。軽くなった財布を気にしながら、東京都中央区にある日本銀行本店そばの貨幣博物館をのぞいてみた▼初めて千円札がお目見えしたのは74年前のきょう。戦時中から準備していたもので、終戦から2日後のことだった。図柄は古代史で活躍が伝えられる日本武尊(やまとたけるのみこと)。ところが戦後の混乱期。この千円札は1年も持たず、「幻の紙幣」となる。物不足によるインフレーション。5円札以上の紙幣を対象にした新円切り替えが翌年2月にあり、回収された▼『物価の文化史事典』(展望社)によると、精米10キロの価格は1945年が3円57銭1厘、46年が20円11銭4厘。45年の郵便料金は葉書が5銭、封書が10銭、東京の入浴料は20銭。物価は今の100分の1以下とみられ、千円札は高額紙幣だった▼千円札が復活するのは50年。図柄は聖徳太子に変わった。聖徳太子は戦前に3回、戦後に4回の計7回登場し、最後は1万円札で採用された。紙幣では最多記録。「和を以(もっ)て貴(とうと)しとなす」。GHQが肖像候補を選ぶ際、「平和愛好者」と認めたことが決め手になったという逸話がある▼日本武尊は東国からの帰路、力尽きて倒れる。死後、その霊は白鳥となり都へ飛び立ったという。当方のお札は羽が生えたように飛び去っていく。

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