19年上半期 冷凍野菜輸入 最多ペース 53万トン 業務、家庭向けで定着

 2019年上半期(1~6月)の冷凍野菜の輸入量が52万6178トンとなり、過去最多だった前年の同時期を3%上回ったことが財務省の貿易統計で分かった。国産の生鮮原料野菜は、品薄高だった前年より価格が下がったものの、安定供給に強みのある輸入の冷凍品の増加が続いている。業界関係者は「業務向け、家庭向けともに輸入品の需要が定着している」とみる。国内産地にとって冷凍加工向けの原料供給を強めることが急務で、生産基盤の強化に向けた政策支援も重要になる。

 19年上半期の冷凍野菜(調製品を含む)の輸入量は、前年同期を1590トン上回った。品目別で増加が目立ったのはジャガイモ(調製品含む)で前年比6%増の19万4934トン。加工されたフライドポテトが中心となる。産地関係者は「16年の国産ジャガイモの不作を契機に輸入量が増え、冷凍品の需要は現状も奪われたままだ」と指摘する。

 ブロッコリーは5%増の2万9056トンで、上半期では2000年以降で最多だった。ホウレンソウは2万3799トンで、前年同期比では6%下回ったものの高水準にある。国別では、全体の4割を占める中国産が22万7615トンで前年比3%増、3割を占める米国産が16万5764トンで7%増と、共に増えた。

 輸入品は従来、業務向けの販売が主軸だったが、近年は家庭向けとして扱うスーパーでの販売が増えている。首都圏に展開するスーパーのいなげやでは、冷凍野菜の中でも人気が高いブロッコリー、エダマメの今年上半期の売上高が、共に前年比7%増。いずれもメーカー品やプライベートブランドの商品で、原料は輸入だという。同社は「生鮮品の相場が安くても、調理の簡便性を求めるニーズが高く、人気が定着している」とみる。
 

国産強化も 追い付かず


 一方、国産原料野菜を含む国内冷凍農産物の生産量は、減少傾向にある。日本冷凍食品協会の調べによると、18年は前年比9%減の7万1288トンだった。

 輸入品が攻勢を強める中で、国産原料の供給力が焦点となる。ジャガイモやタマネギなど複数品目で冷凍野菜を展開するホクレンでは、販売量が「毎年増加している」という。ニーズの高まりを受けて、今春から家庭向け商品の包装を刷新するなど、訴求力を高める。「冷凍野菜の売り場はスーパーやドラッグストアなど多岐にわたる。家庭向け商品のシェアを伸ばしたい」と鼻息が荒い。

 JA宮崎経済連の関連会社で冷凍ホウレンソウを手掛けるジェイエイフーズみやざきも、小松菜やゴボウなど品目を広げるなど商品提案を強化する。

 冷凍野菜は、消費の簡便化志向を受けて需要の伸びしろが見込める分野だ。「国産ニーズは根強いものがある」(九州の産地)として、シェア拡大のために安定供給できる生産基盤のてこ入れが求められる。

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