[未来人材] 30歳。 自園で食育に挑む元幼稚園教諭 農の大切さ 次世代に 榎本義樹さん 東京都東久留米市

自身の農園で取れた野菜を扱うカフェで、食育で活躍する野菜をPRする榎本さん(東京都小平市で)

 東京都東久留米市の榎本義樹さん(30)は、自身が営む農園「やさいのおうち東久留米」で、収穫などの体験を通じた食育に挑戦する。元幼稚園教諭の経験を生かし、子どもの発育に合わせた内容で、食や農の大切さを伝える。「食や農になんでもいいからとにかく興味を持ってもらう。それが食育のスタートラインだ」(榎本さん)。2018年度は親子連れを中心に約600人が来園するなど、交流の輪を広げている。

 幼い頃から子どもの世話をするのが好きだったという榎本さん。20歳から8年間、埼玉県所沢市の幼稚園で教諭として働いた。17年に「自分で何かを主体的にやりたい」という思いなどがきっかけとなり幼稚園を退職。同市の父親の農地を利用し、就農した。

 幼稚園で身に付けたノウハウを生かし、子どもや子育てに奮闘する親に農や食の素晴らしさを伝えたい。農業を通じて、食べることは生きることにつながることを伝えたい──との思いが募った。行き着いたのが、親子が集える食育の場をつくることだった。

 重視するのが、年齢に応じた食育。2歳児向けには月1回のペースで、農地で栽培過程を観察する場をつくる。榎本さんは「キュウリなら、苗から小さな花が咲き、実が大きくなる過程がある。2歳児くらいには、過程をしっかりと見せて、とげのあるキュウリを実際に触らせる。それによって、食べてみたいという感情が育まれる」と話す。

 子どもが参加しやすいよう、細部にこだわる。例えば、子どもが収穫しやすいよう小さなサイズのダイコン品種「あじまるみ」を使う。子どもと話すときは、目線を合わせるため、しゃがんで話す。

 現在は、市内の保育園などの依頼を受け、定期的に農業体験の場を提供する。榎本さんの野菜を扱ってくれるカフェがあり、そのカフェをきっかけに、食育の場を求め、農園に訪れる親子も増えている。

 榎本さんは「農業体験に来た子どもたちが、親になって、自分の子どもを連れてまた農園に遊びに来る。いつかそうなってくれたらうれしいね」。子どもたちの成長に、自分の未来を重ね、地道な活動を続けている。(藤川千尋)
 

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