[未来人材] 37歳。郷土料理「鶏ちゃん」の店開き地元産こだわる 愛する味多くの人に 高橋良子さん 岐阜市

自慢の「鶏ちゃん」を作る高橋さん(岐阜市で)

 岐阜県奥美濃地方を中心に、廃鶏を活用しようと味を付けて食べたことから始まり、郷土料理として定着した「鶏ちゃん」。下呂市出身の高橋良子さん(37)は岐阜市内でこの鶏肉料理の専門店を開いた。

 経営の経験はなかったが、大好きな「鶏ちゃん」の専門店を持ちたいと思い続け、警察官から転身した。提供する食材や酒は岐阜産にこだわり、米は農家から直接仕入れる。観光客へのアピールにも力を入れ、郷土料理を通じて地域を盛り上げようと奮闘する。

 テレビドラマの刑事に憧れて岐阜県警の警察官になった。やりがいは感じていたが、仕事で経験を重ねるうちに「もっと自分のやりたいことをしたい」と思うようになった。思い浮かんだのは、子どもの時から食べ親しんできた「鶏ちゃん」。20代から「いつかは専門店を開きたいと言い続けてきた」と高橋さん。

 後押ししたのはキャリアアップのため通い始めたビジネススクールだった。休日を利用して経営学修士(MBA)の基礎スキルなどを2年かけて学んだ。ビジネススクールでの学びや仲間に刺激を受け、自由な世界を感じ、決心した。約17年半勤めた警察を退職し、2018年11月に岐阜市内で「けいちゃん ほそ江」をオープンした。

 「鶏ちゃん」は、鶏肉と野菜をみそやしょうゆなどで味付けして炒めて食べるが、その味付けは地域や家庭により千差万別だという。高橋さんの「鶏ちゃん」への愛は強く、「岐阜の名物として世界で知られるほど有名にしたい」と夢を描く。

 観光で岐阜を訪れても交通の便が良くなく、土地の名産が食べにくい。そこで、岐阜市内に店を構え「ここで岐阜料理を味わってほしい」と思いを込める。例えば、米は地元の下呂市の農家から購入する。焼酎や日本酒も酒蔵まで出向いて仕入れる。作り手の思いを店頭で客に伝えたいと、今年の春には田植え前の田んぼにも出向いた。

 「鶏ちゃん」を求めて土・日曜日は店内は観光客でにぎわう。高橋さんは「鶏ちゃんを通じて県外の人にも岐阜に来てもらい、地元の米や酒、農産物の魅力を知ってほしい」と話す。(木村薫)
 

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