豚熱発生地域の野生イノシシ 陰性ならジビエ利用 処理施設の経営支援 農水省が実証事業

 農水省は、豚熱の感染確認区域で狩猟した野生イノシシでも、ウイルスに感染していなければ野生鳥獣の肉(ジビエ)として利用できるよう、衛生管理の実証事業に乗り出す。狩猟後、ジビエ処理加工施設に運搬し、検査結果が出るまでの工程で、ウイルスを拡散させない体制を構築。陰性なら流通を認める方向で検討する。
 同省は豚熱のウイルス拡散を防ぐため、感染した野生イノシシが見つかった現場から半径10キロ以内で狩猟したイノシシの流通自粛を自治体に要請している。事実上、イノシシ肉を出荷できない状況が続き、経営が圧迫されている加工施設もある。

 こうした状況を受け、同省は陰性だった野生イノシシの肉に限り、活用できるようにする方針。ただ、検査結果が出るまでは陽性の可能性もある。狩猟後、処理加工施設に運び、県などによる検査結果が出るまでの工程で、「ウイルス拡散を確実に防ぐ衛生管理が求められる」(鳥獣対策・農村環境課)。

 このため同省は、2019年度予算に含まれる鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して、発生地域を抱える県がウイルスを拡散させない最適な衛生管理を実証し、モデルとして確立する。同省は県に対し、狩猟後の運搬時の容器や処理加工施設に設置する一時保冷庫、消毒設備の導入などを補助。実証結果をまとめた後、厚生労働省とも協議し、ジビエ利用を可能とするかどうかを判断する。

 流通自粛によって苦境にある処理加工施設向けの支援も用意する。地元のイノシシが利用できない状況の中、経営が続けられるよう、感染確認区域外からイノシシを調達するための保冷車の整備や搬送経費を助成。鹿などに切り替えるために必要な設備の導入や解体処理技術の習得、商品開発、販路開拓などにかかる費用も補助する。施設整備は半額、技術習得などは定額を補助する。
 

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは