自給率「飼料反映なし」併記 基本計画で新目標

 食料・農業・農村基本計画の見直しを巡り、農水省が、新たな考えに基づく食料自給率の目標を設定することが4日、分かった。カロリーベース、生産額ベースともに、飼料自給率を反映しない「産出段階」の自給率も目標に位置付ける。国産畜産物を安定的に供給しようとする畜産農家の努力を反映するのが狙い。飼料自給率を反映した従来の自給率と併記する。
 

農家の努力考慮


 現行の自給率目標は、食料安全保障や厳密な国内生産を把握するなどの観点から、輸入飼料を与えた畜産物は国内で生産しても「国産」に算入していない。日本の飼料自給率は25%(2018年度)と低いため、畜産物の自給率も低くなり、全体の自給率を下げる要因にもなっている。

 同省によると、牛肉のカロリーベース自給率は11%、豚肉は6%、鶏卵は12%、全体の自給率も37%(いずれも18年度)にとどまる。

 だが、飼料自給率を反映しない「産出段階」の自給率では牛肉43%、豚肉48%、鶏卵96%、全体の自給率は46%になる。17年度から参考値として示していたが、今回の基本計画では目標として位置付ける。

 同省は、国産の牛肉や豚肉などを食べても自給率が下がる方向に働き、消費者の選択の実感に合わない面もあったとみる。自民党内には、飼料と同様に、原料を輸入に依存する肥料が自給率に反映していないことを矛盾として指摘する声もあった。

 従来通り、カロリーベース、生産額ベースともに、飼料自給率を反映した自給率目標も設定する。基本計画には、自給率の向上へ、地産地消など国産農畜産物の購入を通じて農業・農村を応援する国民運動を官民で推進することも盛り込む方向で検討している。

 食料・農業・農村基本法では、同基本計画に食料自給率の目標を定めることになっている。現行計画では、25年度にカロリーベース45%、生産額ベース73%の目標を設定している。しかし、18年度はそれぞれ37%、66%にとどまり、カロリーベース自給率は過去最低。低下傾向の中で新たな目標を設定することは、議論も呼びそうだ。
 

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