トランプ氏一般教書演説 農家向け実績強調 実効性不透明も支持強固

 トランプ米大統領は4日に行った恒例の一般教書演説で、農業分野の成果を強調した。中国などとの貿易協議で農産物輸出の「大幅」拡大を勝ち取ったことを誇り、農村部で遅れている高速インターネット回線の改善に取り組むことを約束した。どちらも効果はいまひとつ不明だが、世論調査で農家の支持は上昇。今年11月の大統領選挙に向け、農家のトランプ支持を固める効果はあったようだ。(特別編集委員・山田優)
 

輸出大幅拡大 高速回線整備 


 「農家や労働者にとっては10万人の高給な雇用と大量の輸出拡大をもたらすだろう」

 トランプ氏は演説で、メキシコ・カナダとの新しい貿易協定(USMCA)や中国との貿易協議が米国農業に大きな成果になると強調した。これらの内容は繰り返し自慢してきたもので目新しくない。

 手柄話を詰め込んだ大風呂敷を広げるのはトランプ氏特有の行動パターン。これまでの日米首脳会談でも同様の振る舞いを見せてきた。

 しかし農産物輸出拡大の実効性について、米メディアは「米政府の試算ではUSMCAで増える農業輸出額は1%にすぎない」「中国との第1段階の合意で対中輸出は増加することになったが、これまでのところ実際の商談は何もない」などと辛口の批評をしている。

 また、トランプ氏は情報基盤の整備が遅れている「農村部」を取り上げ、「全ての国民が高速インターネット接続できるようにすることを約束する」と強調した。米国でも都市と農村のデジタル格差が大きいことはさまざまな調査で指摘されてきた。大統領選挙に向けて、民主党の候補者らが農村部のデジタル格差を強く批判していることを意識して、演説の中に盛り込んだ。

 米国内の農政論議は、秋の大統領選挙を軸にして熱を帯びてきた。農家の間のトランプ人気は衰える様子が見えない。

 米ファームジャーナル社が毎月調べている大統領の仕事ぶりを評価するアンケートでは、圧倒的な農家がトランプ氏を支持している。最新の1月18日時点で83%の農家が仕事ぶりに「満足している」と回答した。一方で「満足していない」は16%にすぎない。高支持率の背景には農業の先行きへの楽観視がある。

 農家の景況感を毎月測る米パデュー大学の調査によると、4日発表された1月の結果は前月よりも急上昇した。「米中の暫定合意で中国側が大量の農産物を買うことになったため」と同大学は理由を説明する。米国の農家は、バラ色の未来を振りまくトランプ氏への信頼を強めている。
 

おすすめ記事

農政の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは