20年産米 産地品種45増869銘柄 多収で良食味拡大 業務用販売を強化

 米産地が、業務用向けの多収性品種の生産・販売を強化している。農水省が設定した2020年産米の産地品種銘柄数は前年から45増え、869となった。新たに設定された銘柄は「つきあかり」「ちほみのり」など、多収が見込める良食味品種が目立つ。堅調な需要が見込まれる中食や外食向けに、産地がJA全農や米卸と連携して多収性品種の導入を積極的に進めている。

 産地品種銘柄は、「産地+品種」で表すもの。農産物検査で証明を受けて「○○産コシヒカリ」のように表示して販売するには、産地品種銘柄の設定が必要だ。各産地の申請を受けて設定するため、産地銘柄の設定は各産地の生産・販売戦略を反映している。増加は12年連続。販売競争が激化する中、「産地の販売戦略として、家庭用に加え業務用品種を導入する動きが出ている」(同省)ことから、10年前と比べると4割増えた。

 20年産は50銘柄が設定され、廃止の5銘柄を引いて45増えた。最多品種は「つきあかり」で、岩手、宮城、福島、千葉など7県で設定。「あきたこまち」より10%ほど多収で、保温してもおいしさが持続する。早生のため、作期分散の面でも導入が進む。これまで13県で設定され、東北や関東を中心に作付けが広がっている。

 続いて多いのが「ちほみのり」で、岩手、宮城、山形、兵庫の4県。「とよめき」が千葉、石川、熊本の3県、「つやきらり」は島根、福岡、熊本の3県。これらは全て農研機構が育成した業務用の多収性品種だ。業務用には値頃な価格帯が求められており、農家の手取りを確保するためにも、低コストで多収が見込まれる品種が普及する。全農はこうした多収性品種を中心に、業務用向けの契約栽培をJAと連携して進めている。

 新たに設定された品種には、夏場の高温に耐性を持った品種も目立つ。多収性と高温耐性を兼ね備えた「にじのきらめき」は岐阜で設定。JAと米卸、カレーチェーンが生産に取り組むなど、食味や多収性の面から実需者の関心が高い。この他、「きぬむすめ」は愛知、広島で、「恋の予感」は大分で設定されるなど広がりを見せている。
 

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