おすすめ記事

[米のミライ](5) 地産地消 生産者自ら積極PR 官民連携で手応え 北海道深川市 ふかがわまい生産組合
米の消費量が落ち込む中、各主産地が販路拡大を模索する。北海道は、府県産米から北海道米への消費の切り替えを進める「米チェン!」運動など、地産地消を強力に展開してきた。現在、道民の9割近くが地元の米を食べている。
ふかがわまい生産組合は、JAきたそらちや深川市と連携し、生産者自らが米の営業活動に力を入れる。減農薬・特別栽培の「ゆめぴりか」「ななつぼし」「ふっくりんこ」の地産地消を推進。「産地一丸で深川産の米をPRしよう」と、2019年9月に水稲農家の統一組合を設立した。……
2021年03月03日

トマトにLED補光 日照不足解消へ試験 新潟のベジ・アビオ
トマトを施設栽培するベジ・アビオは2月中旬から、発光ダイオード(LED)を使った補光の実証試験を始めた。日本海側で9月から翌年7月にかけて栽培する同社は、冬場の日照不足が課題だった。LEDで日射を補って光合成を促すことで、収量と品質の安定を狙う。……
2021年03月03日

「祇園パセリ」料理の主役に キッチンカーで発信 JA広島市
JA広島市が事務局を務める祇園町農事研究会パセリ部会は、特産「祇園パセリ」のキッチンカーでのPRを始めた。2月に広島市で開かれたマルシェでデビューして「祇園パセリ」やパセリスムージーを販売。栽培の歴史やレシピなどを掲載したリーフレットを配った。県内のイベントなどにも出店を予定し、メニューを増やして料理の主役としてパセリをアピールする。
「祇園パセリ」は、葉が柔らかくて細かく縮れ、濃い緑色が特徴。……
2021年03月08日

東日本大震災から10年 農業産出額 被災3県増加傾向 福島は水準戻らず
東日本大震災からの復興に向けた懸命の努力で、被災3県の農業産出額はいずれも増加傾向にある。だが、福島県だけは震災前の水準に戻っていない。岩手、宮城の両県が震災前を2割近く上回るのとは対照的だ。営農再開の遅れに加え、「風評被害」も課題となっている。
2018年の産出額は岩手が2727億円、宮城は1939億円。震災前の10年に比べると、それぞれ19%、16%増え、全国平均の11%を上回る伸び率となった。だが、福島県の18年の産出額は同9%減の2113億円。震災後に、震災前を上回った年は一度もない。
営農再開率3割
産出額が回復しない要因の一つは、東京電力福島第1原子力発電所事故で避難を強いられた12市町村の営農再開率が約3割にとどまることだ。12市町村の産出額は127億円で、こちらも震災前の約3割だった。
農水省や福島県などでつくる官民合同チームの調査では、この12市町村で営農再開の意向がないか未定の農家のうち、所有する農地を貸し出してもいいと考えている人が7割いた。同省は営農再開の加速に向け、こうした農地を集めて担い手にマッチング(結び付け)することが重要だと指摘。4月に施行する改正福島特措法で、これを後押しする。
同法は、市町村が行っている農地中間管理機構(農地集積バンク)を通じた農地集積の計画作成などを、福島県もできるようにした。市町村の職員が不足する避難解除区域での集積をさらに進めるためだ。新たな制度を通じ、同省は25年度末までに12市町村の営農再開面積を震災前の60%に当たる1万378ヘクタールにすることを目指す。
風評被害も課題
福島県では、風評被害も大きな課題のままだ。消費者庁の2月の調査によると、同県産の食品の購入をためらう消費者の割合は8・1%。過去最小となったが、今も一定に存在する。同県の主要農産物の価格が全国平均を下回る状況も続いている。全国平均に比べ、米は約3%、牛肉は11%、桃は16%下回る。
原発事故後、同県産をはじめとした日本産食品の輸入規制をする国・地域は最大で54あったが、15まで減った。19年の同県産の農産物の輸出量は過去最高を更新。だが日本の主要な輸出先の香港や中国などは、今も同県産の輸入規制を続ける。
風評被害の払拭(ふっしょく)に向け、同省はテレビCMやウェブを通じた県産農産物のPRなどを支援。20年には卸や小売業者に対し、同県産を取り扱わなかったり、買いたたいたりしないように求める通知も出した。輸入規制の撤廃は、昨年4月に設置した農林水産物・食品輸出本部が外務省などと連携し、各国への働き掛けを進めている。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年03月07日

震災10年 教訓つなぐ 東北産品 東京で発信 中金や全農 丸の内周辺
東日本大震災から間もなく10年を迎えることを受け農林中央金庫やJA全農、三菱地所などは、東京中心部で東北地方の食材をPRするイベントを始めた。4月4日まで、新幹線やバスの空きスペースも活用して運んだ食材の販売会や、料理を飲食店で提供する企画などを展開する。5日、開会式典を東京・丸の内で開いた。
農林中金など3者の他JR東日本や河北新報などでつくる「あれから10年、これから10年」コンソーシアムの主催。復興に向けた10年間を振り返り、地域の活力ある姿や震災の教訓などを未来につなぐことが目的だ。
6日から14日まで東京・丸の内で、スイーツを販売するホワイトデーの催事に合わせて東北産のイチゴを販売。8日から14日まで、東京駅で特産品を販売する。
8日から4月4日まで大手町・丸の内・有楽町にある約50の飲食店で、福島県の魚介類を中心に東北の食材を使った限定メニューを提供する。復興に関するワークショップやシンポジウムなども企画する。
5日の式典には各組織の代表者が出席。農林中金の奥和登理事長は「復興したところもあれば、復旧にとどまっているところ、復旧にも至っていないところがある。(イベントを通じて)そのような現実を共有したい」と述べた。
この日は、東北6県の銘柄米のパック(1パック 300グラム)を詰め合わせた全農の「絆米」、宮城県産のイチゴ「とちおとめ」などを販売した。
日本農業新聞の購読はこちら>>
2021年03月06日