[米のミライ](4) 輸出 外・中食から家庭狙う 本物志向に応える JAグループ茨城
2021年03月02日

JA全農いばらきが輸出に力を入れる県産オリジナル品種の米「ふくまる」(茨城県茨城町で)
JAグループ茨城は、米の輸出に力を入れ「JAグループ茨城米輸出協議会」を設立、輸出用米の集荷量をこの3年で3倍にした。地道に販路を開拓し、昨年はフィンランドのスーパーで売るすし向けにも広げた。海外で日本食が広まり、粘りや香りの良い日本米の需要が高まっていて、有望な市場として開拓を進める。輸出を通じた需給調整にも期待をかける。
JA全農いばらきは2月、初めて米の県オリジナル品種「ふくまる」の輸出を始めた。3月からシンガポールの日系スーパーで、家庭用精米の売り場に並ぶ予定だ。ターゲットは中所得層以上を見込む。
JA全農いばらき米穀総合課の並木誠也課長は……
JA全農いばらきは2月、初めて米の県オリジナル品種「ふくまる」の輸出を始めた。3月からシンガポールの日系スーパーで、家庭用精米の売り場に並ぶ予定だ。ターゲットは中所得層以上を見込む。
JA全農いばらき米穀総合課の並木誠也課長は……
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栗山千明さん(女優) レンコン映画に悪戦苦闘
私が生まれ育った茨城県は、レンコンの生産日本一なんです。
でもそのことを知ったのは、大人になってから。私の住んでいたところに農地はなく、ちょっと遠出してレンコン畑があると、親から「落ちたらダメだよ」と言われたことを覚えています。
今回、加賀レンコンを題材にした映画『種まく旅人~華蓮のかがやき~』に出演させていただきました。レンコン農家の生き方を描く作品で、畑に入っての撮影シーンもありました。
覚悟はしていたんです。埋まってしまう、思うように動けない。事前に知っていましたので、これは大変だぞと思いながら入ったんですが、やっぱり。
このせりふを言う時にはこの動きを……と思って体を動かすんですが、いざやってもできないもどかしさが。
農家の苦労実感
畑の真ん中で、撮影のセッティングを待つこともありました。普通なら一回上がって待つのでしょうけど、端まで行くのが大変なんです。ですからスタッフの方に「私はここにいます」と言って残るんですが、どんどん足が埋まっていって動けなくなってしまうんです。それを防ぐため、たまにもじもじ動いてみたり。農家の方のご苦労に頭が下がりました。
私は初めて畑に入るという設定の役でしたから、慣れていなくても成立します。私のあたふたしている様子が、ナチュラルに映っていると思います。
金沢での撮影というと、夜はおいしい魚を食べたんだろうと思われるでしょうが、残念なことに違うんです。夜のシーンの撮影がたくさんありましたし、宿泊しているところから繁華街が遠い上、朝早くから撮影が始まりましたので、食べに行けませんでした。前に舞台で金沢に行った時は、いろいろ食べられたんですが。
地元野菜を堪能
その代わり今回は、地元の方々がレンコンをはじめ野菜を使った料理を振る舞ってくださいました。面白い上においしかったのは、レンコンをすりおろしてお好み焼きに入れたもの。他にも、言われないとレンコンだと分からない料理がいくつも出てきました。
子ども時代は、レンコンはきんぴらとか煮物とかでしか食べたことがなかったんです。おいしい食べ方がいろいろあるんだと、初めて知りました。
『種まく旅人』はシリーズ化され、今回が4作目。私が出演するのは2作目ですけど、おかげで食に対する探究心が強まりました。
もともと日本食派なんです。ご飯が大好き。おそば、うどんも好き。茨城生まれですから、納豆は常に冷蔵庫に入っています。あと、生ものが好きなんですよね。魚、貝、鶏のささ身。野菜もそのまま生で食べるのが好きです。セロリとかは、マヨネーズも何も付けずにバリバリと食べます。
生でいただくのが好きだから、料理が上達しないという欠点があるんですが。
仕事で海外に行くことはあっても、海外旅行には興味を持てません。観光は楽しめても、長くいられないんです。「あー和食を食べたい」という気持ちになるから。日本に帰ってきたら、真っ先に刺し身を食べたくなります。
以前、舞台の仕事で金沢に行った時は、おいしい刺し身に感動しました。今回は加賀野菜の素晴らしさを知ることができました。次に金沢に行くことがあったら。ゆっくりと魚と野菜をいただきたいと思っています。(聞き手=菊地武顕)
くりやま・ちあき 1984年茨城県生まれ。モデルを経て、99年に映画『死国』で女優デビュー。『バトル・ロワイヤル』(2000年)での演技がクエンティン・タランティーノ監督を魅了し、同監督の『キル・ビルVol.1』(03年)に出演した。『種まく旅人~華蓮のかがやき~』は3月26日石川県先行上映、4月2日公開。
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2021年03月06日

コロナ禍の減収農家応援 組合員4911人に支援金 JA山形おきたま
JA山形おきたまは、総額2億円の新型コロナウイルス感染症対策生産者支援を行った。コロナ禍による減収など、農業経営に打撃を受けた組合員の経営継続を支援する。支援対象者は、JAに継続的に販売している生産者で、正組合員のうち約26%に当たる4911人。販売高や販売手数料を基準に1億5000万円を支援した。
子会社も利用券配布
昨年6月に開いた第26回通常総代会で決議された積立金を原資にした。……
2021年04月07日

地域と移住者を橋渡し 各地で協力隊“卒業生”の組織設立
元・地域おこし協力隊員の組織化の動きが、各地で広がっている。地方への移住希望者と受け入れ側とのミスマッチ予防に活躍する。元隊員は、隊員の募集要項の見直しを助言し初の採用に貢献、また経験を生かして移住希望者の不安に寄り添うなどの活動を展開。政府が2024年度までに隊員数を8000人にする目標を掲げる中、“先輩移住者”として隊員の受け入れや定着を後押ししている。(丸草慶人)
「隊員」初採用導く 募集要項の見直しも
総務省によると元隊員らの組織数は、15年度の1団体から、20年度末までに19団体に増えている。隊員数が増える中、身近な相談窓口として同省は19年度、組織化を後押しする事業をスタート。都道府県単位の組織を設ける場合、150万円を上限に助成する。20年度までに10団体を採択。21年度も事業は継続する。
「自治体は隊員にあれもこれも多くを求めがち。隊員はスーパーマンではない」。佐賀県地域おこし協力隊ネットワーク代表の門脇恵さん(35)はこう指摘する。佐賀県で19年11月、元隊員らが同ネットワークを設立した。20年度、4市町の募集要項や活動内容の見直しを手伝った。
門脇さんの助言で神埼市は、活動項目を7から1に絞り込んだ。「イベントの開催と誘致」に限定し、仕事内容をイメージしやすくした。このことで、隊員の募集開始から4年目で初の採用につなげることができた。同市初の隊員となった福岡県出身の吉富友梨奈さん(31)は「移住希望者にとって、活動内容の分かりやすさは重要。サポートが充実していて安心できた」と話す。
悩みに共感心ケア 相談窓口を担当
元隊員は、移住希望者の不安にしっかり寄り添えることも強みだ。19年度の移住者が1909人と過去最高を記録した愛媛県。移住相談窓口を「えひめ暮らしネットワーク」が担う。
ここでは8人の元隊員が松山市の事務所に常駐。移住希望者が現地を視察する場合、ネットワークの元隊員が現地隊員の同行を手配している。
元隊員の組織化によって、隊員や自治体の情報が集まりやすくなった。このことを生かし移住希望者に適した地域や活動内容を助言し、ミスマッチの防止を目指す。不定期で訪れる移住相談にも臨機に対応でき、着実な移住につなげている。代表の板垣義男さん(46)は「希望者の悩みに共感して、視察先のありのままを答えることができる」と胸を張る。
持続可能な地域社会総合研究所・藤山浩所長の話
地方回帰を進める上で、地域おこし協力隊は重要な存在だ。地域実態に合った活性化の戦略を練り上げるには、隊員としての経験と知見が頼りになる。元隊員らが組織化することで、ノウハウを共有して学び合える。地域の意見と移住者のやりたいことを調整して導くことができ、受け皿となることにも期待できる。
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2021年04月09日
満蒙開拓と感染症 災禍の中教訓考えよう
国策で農業移民として旧満州(中国東北部)に送られ、多くの犠牲者を出した満蒙(まんもう)開拓団。テレビの取材を通し、ソ連侵攻後の避難先の大都市で18万人が飢えや寒さ、感染症で亡くなった事実に光が当たった。新型コロナウイルス禍の中、今につながる教訓を考えたい。
18万人は、満州最大の都市・奉天(現瀋陽)などの大都市で亡くなった。ソ連侵攻による満州での日本人死者は6万人で、その3倍に当たる。
日本農業新聞は、3月27日掲載の「都市で死者18万人なぜ 満蒙開拓団『見過ごされた事実』から迫る」で、番組を企画したディレクター矢島良彰さんの取材の内容や視点を紹介した。日本社会の今の問題につながると考えたからだ。番組は翌日、NHK―BS1「満州 難民感染都市」のタイトルで放送された。
記事掲載と番組放送の後に読者から声が寄せられた。その中から、今の問題との類似性への指摘に着目したい。
番組では、国に見放され命からがら避難した開拓団員が「避難先の奉天でぜいたくをしている」とデマを流された事実を紹介した。東日本大震災の被災地支援を続ける人は「真っ先に思い出したのは、東京電力福島第1原子力発電所の事故で避難した人が『賠償金でぜいたくをしている』と誹謗(ひぼう)中傷された事実。お互い犠牲者なのに差別が起きてしまう構図がまったく同じだ」とみる。
難民収容所で発疹チフス、ペスト、コレラといった感染症が拡大、都市居留民は避難民を差別し、避難民には不信が募った。それが助け合いを阻む「見えない壁」となり、結果、居留民も感染者になった。新型コロナの感染者や医療従事者への差別と重なる。
こうした事実を矢島さんが知ったきっかけは、奉天で日本人居留民会が発行した難民救済事業要覧。大量死の直接の要因を「資金難による3カ月の救済遅れ」と記す。
「国民の命を守る」という責務を国が放棄した後、取り残され、苦難を強いられた人々。今に目を移せば、コロナ禍の中での解雇・雇い止めの拡大、貧困の深刻化、自殺者の増加……。国は責務を十分果たしていると言えるのか。国民は注視し、問題があれば声を上げなければならない。
矢島さんは日中両国の20人ほどから証言を得た。そこから、厳しい暮らしの中で現地の人が、日本人が帰国できるよう寄付を集めたり、孤児を育てたりするなど国を超えた助け合いの事実も分かった。
「さまざまな立場の人の話を突き合わせ、悲劇性だけに目を奪われないように」と矢島さん。今起こっていることを一人一人が冷静に、多角的に見る目を養おう。それが、助け合える社会につながる。
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2021年04月11日

ICTを駆使 水害対策に
水害対策に、川や池の増水を知らせるシステムが相次いで登場している。近年相次ぐ水害から情報通信技術(ICT)を駆使して命を守ろうとするものだ。地域の防災関係者などに通知し、住民に知らせるなど“防災力”の向上に期待をかける。
内水氾濫を検知 亀岡電子が京都で実証
センサーメーカーの亀岡電子は3月から、水路脇や道路脇に設置する浸水検知センサー「KAMEKER(カメカー)3」を売り出した。……
2021年04月07日
農政の新着記事
法人議決権緩和 規制改革WG内でも異論 優良農地支配を懸念
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)が関心を示す農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、同WG委員の農業経営者から否定的な意見が相次いでいたことが議事録から分かった。要件を緩めた場合、農業関係者以外の資金力がある出資者に農地を支配されかねないなどの指摘が出た。身内からも異論が噴出したが、同会議は要件緩和を迫る姿勢を崩していない。
資金調達円滑に→経営権脅かす
こうした指摘が出ていたのは3月5日のWG会合。……
2021年04月11日
改正種苗法施行 海外持ち出し制限 初公表 シャインなど1975品種 農水省
農水省は9日、品種登録した品種(登録品種)の海外流出防止を目的とする改正種苗法の施行に伴い、海外への持ち出しを制限する1975品種を公表した。1日の施行後、公表は初めて。ブドウ「シャインマスカット」や北海道の米「ゆめぴりか」など、いずれも同法施行前に品種登録済み・出願中だった品種で、届け出に基づいて「国内限定」の利用条件を追加した。
野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「税関とも情報共有し、わが国の強みである新品種の流出を防ぎ、地域農業の活性化につなげていきたい」と述べた。
1日に施行された改正種苗法は、品種登録の際に、栽培地域を国内や特定の都道府県に限定する利用条件を付けられるようにした。「国内限定」の第1弾の品種は、農研機構や42道府県が開発した米や果実が中心だ。同省によると、国や県など公的機関が開発した登録品種の9割が「国内限定」となった。
米では青森県の「青天の霹靂」や新潟県の「新之助」、果実では石川県のブドウ「ルビーロマン」や福岡県のイチゴ「あまおう」、愛媛県のかんきつ「紅まどんな」などが含まれる。今後、民間の種苗会社の品種も含めて、順次追加する。
条件に反して海外に持ち出した場合、個人なら10年以下の懲役や1000万円以下の罰金、法人なら3億円以下の罰金が科される。流通の差し止めや損害賠償といった民事上の措置も請求できる。
同省は、同法施行の経過措置として、施行前に品種登録済み・出願中だった品種も、「国内限定」などの利用条件を追加できるようにしていた。9月30日まで届け出を受け付ける。一方、今後、品種登録する品種は原則として「国内限定」とするよう開発者に促す。
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2021年04月10日
輸出基本方針を改正 マーケットイン型へ転換 政府
政府は9日、農林水産物・食品輸出促進法に基づく基本方針を改正した。昨年11月にまとめた、輸出拡大に向けた実行戦略を反映。相手国の需要に応じたマーケットイン型の輸出への転換を強調した。各国の需要や規制に対応した「輸出産地」の育成や、生産から輸出までの事業者を束ねた「品目団体」の組織化などを盛り込んだ。
輸出産地については、輸出事業計画の認定を通じ、産地ごとの目標や課題、対策を明確化する。……
2021年04月10日

産地交付金の「県枠」拡大 飼料用米支援広がる
農水省は2021年産から、米の転作を支援する「産地交付金」のうち、都道府県段階で助成内容を決める「県枠」の割合を拡大した。これを活用し、県単位で飼料用米など非主食用米への支援を拡充する動きが出ている。米主産県では前年からの作付け拡大や、直播(ちょくは)をはじめ生産性向上を要件にした助成などの検討が進む。
同交付金は転作助成金の「水田活用の直接支払交付金」のうち、県や地域協議会で使途を決めるもの。……
2021年04月09日

霞が関から新動画 農水省職員・人気ユーチューバー復活
動画投稿サイト・ユーチューブの農水省公式チャンネル「BUZZ MAFF(ばずまふ)」で一番人気のコンビ「タガヤセキュウシュウ」が再始動する。九州農政局の若手2人で結成し、ばずまふ最多の再生回数を誇るが、1人が東京の本省に異動となり、離れ離れに。だが4月から“相方”も東京に異動。8日、活動再開を報告する動画を投稿した。
コンビは九州農政局で同僚だった野田広宣さん(27)と白石優生さん(24)が2020年1月に結成。同年3月、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ花きの消費拡大を呼び掛ける動画を投稿すると、時間がたつに連れて2人が花に埋もれていく演出が話題を呼んだ。再生回数は88万回で、ばずまふの400本超の動画の中で最も多い(21年4月現在)。
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2021年04月09日
野菜需給調整 補填引き上げ 平均価格の7割 農家負担は軽減
農水省は2021年度、主要野菜の緊急需給調整事業を大幅に見直した。市場価格が大幅に下落した場合、出荷調整に取り組む生産者への補填(ほてん)水準を市場平均価格の7割に引き上げた。国と折半で造成してきた資金の負担割合も2割に軽減。生産者に手厚い内容で活用しやすくし、野菜相場の安定につなげる。
事業はダイコン、ニンジン、キャベツ、レタス、ハクサイ、タマネギの6品目が対象。……
2021年04月08日

米の支出額11%減少 過去20年で最低水準 2月家計調査
米の消費が家庭向けでも苦戦している。総務省の家計調査によると2月の支出額は前年比11%減となり過去20年で最低水準だった。昨年のような買いだめ特需も見られず、従来の消費減に歯止めがかからない。一方、パックご飯など手軽に食べられる商品は好調で、簡便さが米消費挽回の鍵になりそうだ。
簡便「パック飯」好調
2月の1世帯当たり(2人以上世帯=平均2・94人)の米の支出額は1546円で、米の買いだめが発生した前年同月から大きく落ち込んだ。20年産の出回りが本格化した10月以降で見ても、緊急事態宣言後の巣ごもり需要が一時的に高まった1月を除き、前年割れが続く。10~2月までの累計では前年同期6%減となった。
米は外食店などの業務筋に加え、家庭用でも消費減を食い止められていない。東京都内の米穀店は「巣ごもり当初は炊飯の手間をいとわなかった人も、長期化するとより手軽な食品に移り従来の米の消費減傾向に戻った」と分析する。他の首都圏の米穀店も「巣ごもりと言われているが、あまり購入量は増えていない」と指摘する。
価格下落も支出減に影響した。業者間で取引する市中価格は2月以降下げ、店頭でも安売りが目立つ。だが消費者の購入数量は増えず、2月は支出額、数量共に過去20年で最低だった。
主食への支出は手軽に食べられる商品に移っている。麺類などの消費は好調。米でも弁当などを含む「主食的調理食品」の2月の支出額は4849円で5%増。パックご飯や冷凍米飯を含む「他の主食的調理食品」は1270円で3%増、10~2月の累計でも前年同期比8%増となる。
大手卸は「パックご飯を常時保存する家庭も増え、精米商品からの置き換えが起きている。高齢世帯の利用も増えている」と話す。
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2021年04月07日
内閣支持率続落40% 農政「評価せず」拡大 本紙モニター調査
日本農業新聞が3月に行った農政モニター調査で、菅義偉内閣の支持率が40%となった。発足直後の昨年9月に比べて18ポイント急落した12月の前回調査から、さらに4ポイント下落。不支持率は59%で、同3ポイント増えた。菅内閣の農業政策を「評価しない」人が同11ポイント増えて56%となり、支持率にも影響したとみられる。
他の報道機関の調査でも、菅内閣の支持率は発足当初の6、7割台から下落し、直近は4割前後で推移するものが多い。……
2021年04月06日
地域運営組織1割増 担い手・資金不足が課題 20年度
総務省は、農山村などを中心に暮らしを守る事業を行う「地域運営組織」の2020年度の数を公表した。19年度から547組織(10%)増え、5783組織(802市区町村)となり、過去最高となった。政府は24年度までに組織数を7000に伸ばす目標を掲げており、数は順調に増えている。一方、担い手・資金不足に悩む組織が多く、今後の支援が課題だ。
同組織は、行政の支援が届きにくい課題を住民らが主体となって解決する。……
2021年04月06日

米産地品種900銘柄迫る 13年連続で増加 多収良食味にシフト
2021年産の水稲うるち玄米の産地品種銘柄数は、前年から24増えて893となった。13年連続で増加し、900に迫る。高価格帯を狙った極良食味米の新規設定は少なく、業務用に向く「にじのきらめき」など良食味と多収性を兼ね備えた品種の設定が目立つ。多様化するニーズに対応し、安定生産を目指す産地の戦略が背景にある。
産地品種銘柄は「産地+品種」で表す銘柄。農産物検査で「〇〇産コシヒカリ」などと証明を受けるには、各産地が申請し、農水省の設定が必要になる。
同省によると21年産は29銘柄が新しく設定され、廃止の5銘柄を引いて24増えた。高価格帯を狙った極良食味品種の新規設定は、限定的だった。近年は宮城「だて正夢」、新潟「新之助」、福井「いちほまれ」など各県オリジナル品種が相次いで設定されてきたが、21年産は秋田「サキホコレ」、京都「北陸246号(京式部)」など一部だった。
一方で、目立つのが良食味の多収性品種の設定だ。業務用ニーズの高い値頃な価格帯で販売でき、生産者の手取りも確保できる。農研機構育成の「にじのきらめき」は茨城、群馬、千葉、新潟、滋賀、佐賀の6県で設定され7県に拡大。申請した茨城県JA北つくばは「コシヒカリよりも多収で収益性が高い。良食味で外食のバイヤーからも期待されている」と話す。高温耐性、イネ縞葉枯(しまはがれ)病抵抗性の特徴を持ち安定生産が見込まれることもあり、21年産の管内面積は300ヘクタール以上に拡大する見通し。
同じく良食味で多収の「つきあかり」は秋田県が加わり14県となった。他にも「ほしじるし」「とよめき」「恋初めし」など農研機構や民間育成の多収性品種が設定された。
安定生産を目的にした品種の多角化も進む。高温耐性品種の「にこまる」は富山、福井で設定され27府県に拡大した。夏場の高温による品質低下が背景にある。「にこまる」を申請した生産者は「面積拡大で、既存の品種だけでは収穫作業が集中し、刈り遅れや品質低下の可能性がある」として、品種導入が作期分散にもつながると指摘する。
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2021年04月04日