米価14年産並みも 産地全体で危機感共有を 全中が水田農業対策委
2021年03月04日
JA全中は3日、水田農業対策委員会を開き、2021年産主食用米の需給について議論した。20年産の相対取引価格が13年産と同様の動きをしていることから、続く21年産では米価が大幅に下落した14年産並みの低水準になる恐れがあると確認。概算金にも大きな影響が出かねないとの危機感を共有した。
全中やJA全農が情勢を報告した。……
全中やJA全農が情勢を報告した。……
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ごはんのおとも 宮城・JA新みやぎ
JA新みやぎみどりの地区の振興作物であるネギ類を中心に、トマトや生シイタケなどを使っている。和食の主役「ご飯」をよりおいしく食べるために開発した。「ネギたっぷり旨辛醤油麹(うまからしょうゆこうじ)」「ネギたっぷりラー油」「ネギたっぷりキムチ」「トマト醤油麹」「しいたけ醤油麹」の5種類。
添加物はほとんど使っておらず、ご飯やおにぎりの具としてはもちろん、調味料としても活用できる。
1瓶(130グラム)「ネギたっぷりラー油」が518円。他4種は464円(同)。元気くん市場仙台南店・同仙台店などで販売中。問い合わせはJA新みやぎみどりのマーケティング室、(電)0229(87)3344。
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2021年04月08日
3都府県「まん延防止」 コロナ禍出口どこに
政府は9日、新型コロナウイルス対策として緊急事態宣言に準じた対応が可能となる「まん延防止等重点措置」を東京、京都、沖縄の3都府県に適用することを決めた。対象区域の飲食店は、営業時間の午後8時までの短縮を求められる。影響を受ける外食産業や農家などの関係者からは、コロナの終息に向けた出口が全く見えない状況に「かなり厳しい」「これ以上は限界」といった声が相次いだ。
また時短、限界 消費しぼむ
外食
外食業界団体の日本フードサービス協会は「飲食店は『時短営業対応をいつまで繰り返すのか。いい加減にしてほしい』というのが本音だ」と明かす。感染防止対策でできることは既にやってきたが、これ以上は限界と受け止める。
時短の長期化で、銀行が追加融資を渋る事例が増えており、雇用調整助成金が当初予定の4月末で切れてしまえば、「飲食店が生き延びることはできない」と苦境を訴えた。
野菜仲卸
まん延防止等重点措置の東京都適用を受け、野菜の仲卸業者は「特に酒類を提供する飲食店からの注文は落ち込みが大きくなっている」と明かす。緊急事態宣言の解除後、注文は3割増と回復したが、「感染増加に伴い今週は再び落ち込んだ。大型連休の書き入れ時に重なるのは痛い」と漏らす。
卸売業者も「飲食店向けだった野菜が振り向け先に困り、葉物など足が早い商材は取引価格を大きく下げている」と話す。
酒造組合
度重なる飲食店への時短要請で、需要が大きく減る酒の業界は悲鳴を上げる。日本酒造組合中央会は「飲食店や旅行での消費が減り、酒造メーカーの経営はかなり厳しい。その状況が続く」と話す。高級日本酒を販売する東京都内の酒店は「昨年の春ごろは、自宅消費でインターネット販売が盛り上がったが、その勢いも収まった」と課題をみる。自宅向けの消費挽回に期待するものの、苦戦している状況だ。
作付けどうなる 策尽きた
生産者
東京都あきる野市の長屋太幹さん(39)は、約1ヘクタールでケールやリーキ、ビーツなどを生産し、都内のレストランに出荷している。時短営業の影響を受け、飲食店との昨年の取引額は例年の3分の1程度に落ち込んだという。
都がまん延防止等重点措置の対象となることを受けて「春から飲食店が復活することを期待して、頑張って作付けをしたが、なかなか厳しい」と声を落とす。
飲食店
買い物客がまばらな商店街(9日、那覇市で)
沖縄県では、今月1日から独自で飲食店への時短要請を実施している。JAおきなわの直売所で食材を毎日仕入れる糸満市の飲食店「味どころ田舎家」の高田見発店長は「要請が出た時点で店内での飲食自体を控える動きが増え、夜に加えて昼の客足も落ち込んでいる」と窮状を話す。昼は弁当販売に切り替えたが、1日20~30個ほどの売れ行きで、売り上げの減少をカバーできない。「できる限り経費を削減しているが、1年近く同じような状況が続き、もう手の打ちようがない」と語る。
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2021年04月10日

巧みに牛をさばく「技」絶やさず継承 マイスター制度設立 兵庫県食肉卸事業協同組合
和牛の流通を陰で支える「食肉処理技術」の継承に、兵庫県の業界団体が乗りだした。県食肉卸事業協同組合は、枝肉を各部位に切り分けるこの技術で特に優れた“職人”を認定する「兵庫県牛肉マイスター」制度を設立。高齢化などで人材不足が全国的な課題となる中“職人技”を次代につなぐ中核的人材を育てる。組合によると、食肉処理技術者の認定制度を都道府県単位で設けるのは全国で初めて。(北坂公紀)
中核人材の確保・育成へ
牛肉は、大きく分けて3段階で切り分けられる。まず、卸売市場で枝肉に加工。その後、食肉卸などに販売され、食肉処理技術者がヒレやモモなどの各部位に切り分ける。最終的には薄切り肉やブロック肉に加工され、スーパーや飲食店で提供される。
組合によると、県内の食肉処理技術者の数は長らく減少傾向にあり、高齢化も進んでいる。中尾徳弘理事長は「食肉処理技術の継承が危ぶまれた。いくら農家が高品質な牛を育てても、牛肉が食卓に並ばなくなる恐れがあった」と振り返る。
そこで組合は2018年度、県内の食肉処理技術者を対象に同制度を創設した。マイスターを若手の指導に当たる中核的人材に位置付け、業界の技術の底上げにつなげたい考えだ。
認定を受けるには、技術と知識が必要となる。食肉産業に携わる人材を育成する全国食肉学校の実技・筆記試験や県が実施する「神戸ビーフ」「但馬牛」に関する筆記試験に合格する必要がある。
この他、指導方法を学ぶため、同学校の講師を招いた3日間の講習を受ける必要がある。実技指導を交えて枝肉のさばき方をどう教えると分かりやすいのかを学ぶ。
20年度までの3年間で計9人が認定された。今年3月に認定された食肉卸・エスフーズ(西宮市)の高島和也さん(34)は「どう教えたらうまく伝わるのかを学べた。後輩の指導に生かしたい」と意欲的だ。
組合は、マイスターが持つ技術の継承に向けた取り組みも進める。マイスターを講師に招いたセミナーを定期的に開き、県内の食肉処理技術者が“職人技”を学べる機会を設けている。
中尾理事長は「食肉処理技術者は和牛流通を支える“縁の下の力持ち”だ。これからも技術を継承していきたい」と語る。
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2021年04月07日
満蒙開拓と感染症 災禍の中教訓考えよう
国策で農業移民として旧満州(中国東北部)に送られ、多くの犠牲者を出した満蒙(まんもう)開拓団。テレビの取材を通し、ソ連侵攻後の避難先の大都市で18万人が飢えや寒さ、感染症で亡くなった事実に光が当たった。新型コロナウイルス禍の中、今につながる教訓を考えたい。
18万人は、満州最大の都市・奉天(現瀋陽)などの大都市で亡くなった。ソ連侵攻による満州での日本人死者は6万人で、その3倍に当たる。
日本農業新聞は、3月27日掲載の「都市で死者18万人なぜ 満蒙開拓団『見過ごされた事実』から迫る」で、番組を企画したディレクター矢島良彰さんの取材の内容や視点を紹介した。日本社会の今の問題につながると考えたからだ。番組は翌日、NHK―BS1「満州 難民感染都市」のタイトルで放送された。
記事掲載と番組放送の後に読者から声が寄せられた。その中から、今の問題との類似性への指摘に着目したい。
番組では、国に見放され命からがら避難した開拓団員が「避難先の奉天でぜいたくをしている」とデマを流された事実を紹介した。東日本大震災の被災地支援を続ける人は「真っ先に思い出したのは、東京電力福島第1原子力発電所の事故で避難した人が『賠償金でぜいたくをしている』と誹謗(ひぼう)中傷された事実。お互い犠牲者なのに差別が起きてしまう構図がまったく同じだ」とみる。
難民収容所で発疹チフス、ペスト、コレラといった感染症が拡大、都市居留民は避難民を差別し、避難民には不信が募った。それが助け合いを阻む「見えない壁」となり、結果、居留民も感染者になった。新型コロナの感染者や医療従事者への差別と重なる。
こうした事実を矢島さんが知ったきっかけは、奉天で日本人居留民会が発行した難民救済事業要覧。大量死の直接の要因を「資金難による3カ月の救済遅れ」と記す。
「国民の命を守る」という責務を国が放棄した後、取り残され、苦難を強いられた人々。今に目を移せば、コロナ禍の中での解雇・雇い止めの拡大、貧困の深刻化、自殺者の増加……。国は責務を十分果たしていると言えるのか。国民は注視し、問題があれば声を上げなければならない。
矢島さんは日中両国の20人ほどから証言を得た。そこから、厳しい暮らしの中で現地の人が、日本人が帰国できるよう寄付を集めたり、孤児を育てたりするなど国を超えた助け合いの事実も分かった。
「さまざまな立場の人の話を突き合わせ、悲劇性だけに目を奪われないように」と矢島さん。今起こっていることを一人一人が冷静に、多角的に見る目を養おう。それが、助け合える社会につながる。
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2021年04月11日

規格外の花販路拡大 取扱店コロナ前の17倍 来年度は1000カ所目標 東京・ハナネ
市場規格外の花を扱うハナネ(東京都港区)の販売量が拡大している。先月はブックオフなど取扱店が51店に増え、新型コロナウイルス流行前の3店から17倍となった。花売り場を設置した店では、本業の売り上げ増につながる効果も出ている。
同社は市場規格外生花をどれでも1本100円で販売する「花つみ」を展開。……
2021年04月07日
JAの新着記事

JA運営に准組の声を 実践の年 懇談会、総代選出広がる
JAの事業や運営に准組合員の声を反映する取り組みが広がってきた。懇談会や全戸訪問、総代選出など、JAごとに多様な方法を展開。集まった要望は事業計画に盛り込むなどして実現する。JAグループは2021年度を意思反映の“実践の年”とし、取り組みを加速させる。
水稲を中心とした農業が盛んな滋賀県のJAこうかでは、19年に運営参画を進めるための方針を定め、「准組合員懇談会」を開始。……
2021年04月11日

医師会と介護で連携 専門性生かし福祉強化 広島・JA三次
広島県のJA三次と一般社団法人三次地区医師会は8日、地域の高齢者福祉サービスの充実に向け、介護事業で連携協定を締結した。医療と介護でそれぞれの強みを生かし、人材交流や研修会の開催などで連携する。協定に先立ち5日から、同JAの通所介護施設に同医師会からリハビリテーション専門職を派遣。人材育成とサービス向上に役立てる。
JAと医師会が介護事業で連携するのは全国でも珍しく県内初。……
2021年04月09日

コロナ禍の減収農家応援 組合員4911人に支援金 JA山形おきたま
JA山形おきたまは、総額2億円の新型コロナウイルス感染症対策生産者支援を行った。コロナ禍による減収など、農業経営に打撃を受けた組合員の経営継続を支援する。支援対象者は、JAに継続的に販売している生産者で、正組合員のうち約26%に当たる4911人。販売高や販売手数料を基準に1億5000万円を支援した。
子会社も利用券配布
昨年6月に開いた第26回通常総代会で決議された積立金を原資にした。……
2021年04月07日

知床ブランドで新商品 JA名変更、「冠」を活用 北海道・JAしれとこ斜里
北海道JAしれとこ斜里は、JAの名称を変更したことに伴い、加工品を新発売した。世界遺産で知名度の高い「知床(しれとこ)」に改めたブランド化戦略の一環で、JAの商品を売り出していく。
JAは2月、「JA斜里町」から名称を変更した。……
2021年04月05日
JA内部監査共同化へ 来年度にも本格導入 福岡中央会
JA福岡中央会は2021年度、県内JAの内部監査の受託を試行する。監査の質を高めて事業の検証や改善をJAに提案。不祥事防止にも生かす。一定の能力が求められる監査担当者の育成負担の削減にもつなげる。22年度からの本格導入を視野に入れる。
県内20JAでは、それぞれ監査部に3、4人を配置している。……
2021年04月03日
JAに消毒マット イノシシわな助成 豚熱対策事業を継続 全国機関8団体
カ豚熱対策の独自事業を2021年度も続ける。JA職員らの移動で感染が広がるのを防ぐため、新たに要所のJA関係施設に消毒用のマットを配る。JA・県域で野生イノシシ対策に取り組む場合の、わなの購入費用なども支援する。
事業は19年度に始めた。……
2021年04月03日

職場内学習の動画制作 コロナ禍の人材育成 考案 先生は若手職員 JA岐阜中央会
農協改革やコロナ禍などJAを取り巻く環境が大きく変化する中、JA岐阜中央会は、JAの人材育成を支援する学習補助教材として動画を制作した。講師は中央会の20代~30代前半の若手職員が担当。農協運動者としての意識と、行動が改革できる職員の育成に取り組む。……
2021年04月03日

“農商工福”連携で展開 「唐辛子プロジェクト」 粉末1キロを初出荷 広島・JA三次青壮年連盟
JA三次青壮年連盟は、“農商工福”連携で取り組む「唐辛子プロジェクト」で、三次市の江草商店に栽培したトウガラシの粉末1キロを初出荷した。プロジェクトは、地元産農産物と三次産加工品とコラボした「農」と「商」の農商工に、地元大学のボランティアサークルや福祉施設も加わり、農商工福で垣根を越えた活動を展開。念願の初出荷で、新たな特産に期待が高まる。……
2021年04月02日

高齢農家のハウスを 生産拡大希望者へ 遊休資産の承継 仲介 県内1号が実現 JA山口中央会マッチング事業
円滑な経営承継を目的にJA山口中央会が2020年に創設した「リノベーション・マッチング推進事業」で県内第1号の承継が実現した。承継者は18年に兵庫県からIターンで就農した平生町の竹本彰太さん(64)。高齢のため生産を断念した同じJA山口県田布施イチジク部会の農業者からハウスを承継した。規模拡大に投資コストを抑えながら生産拡大とともに産地維持につなげる。
推進事業は、農業者の所有する遊休資産を掘り起こし、担い手に移譲する際、必要な改修や修繕にかかる費用の3分の2(500万円上限)を助成する。……
2021年04月01日

SNSの発信力実感 物流学ぶスマラさん 海外から対談依頼 和歌山・JA紀南直売所「紀菜柑」
きっかけはインスタグラムの投稿から──。和歌山県のJA紀南は、インドネシア大学の学生から、JA直売所の仕組みや役割などについてインタビュー依頼があり、販売担当者らが対応した。意図せず届いた海外からの反応に、担当者はインターネット交流サイト(SNS)の発信力を改めて実感、今後も活用に力を入れる考えだ。
JAに問い合わせをしたのは、同大学日本地域研究学科のデウィ・スマラさん(38)。……
2021年03月31日