悪天候に基盤弱体化 野菜高騰 異例の長期化 5年平均の3割以上 出荷量伸び悩み 所得減の農家も

 野菜の高騰が長期化している。日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)はここ2カ月間、過去5年平均(平年)を3割以上高く推移する異例の展開。秋の長雨や台風被害が主因だが、生産基盤の弱体化も背景にある。降雪も生育を不安定にさせている。市場関係者は「3月まで高値が続く可能性がある」と指摘する。卸価格は高騰しても、生産者は、出荷減の影響が大きく、手取り減を指摘する産地が出ている。

 今シーズンの秋冬野菜は当初、10月後半まで豊作で安値だった。一転したのは11月。長雨で畑が浸水したり、台風の塩害で枯れたりし不作となり、市場の入荷量が急減した。葉茎菜類を中心に値上がりが続き、年末の最需要期となる12月下旬には、東京都中央卸売市場大田市場でレタス1ケース(10キロ)が1万円の大台を13年ぶりに突破。年明け後は全般にやや下げたが、それでも異例の高値が続く。

 1月下旬の日農平均価格を見ると、ハクサイが1キロ127円と平年の2・2倍、ダイコンが1キロ123円で1・7倍と露地物で高値が目立ち、全体の相場を押し上げた。卸売会社は「不作に加えて、年内に出荷が前進した反動もあり、絶対量不足が深刻になっている」と説明する。

 一方で、出回りが増えないのは生産基盤の弱体化も背景にある。レタスやブロッコリーを生産する西日本のJAは「高齢化で労働力が足りず、生育の回復に欠かせないトンネル被覆などの対策が進んでいない」と説明。北関東のJAは「葉物野菜はまき直しが必要だったが、十分にできなかった」と打ち明ける。

 出荷量が伸び悩む産地は、生産者の手取り減を訴える。JA全農いばらきは「出荷量が例年の半分程度の農家がいる。いくら相場が高くても、収入を確保できない」と危機感を募らせる。

 小売価格も高値が続く。農水省が野菜5品目の小売価格を定点調査(全国470店舗)している食品価格動向調査によると、直近1月第4週のハクサイの小売価格は1キロ353円と平年の2・3倍。ダイコンやキャベツ、レタスも軒並み2倍近い高値を付け、トマトも平年を上回る。

 東京都内の大手青果卸は、消費の落ち込みを懸念する。「高値続きで青果物の売れ行きが鈍っている。安価な輸入物を手当てする業者も出始めており、春に向け、小売と産地が連携した販促の強化が不可欠だ」と指摘する。

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