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豚コレラ 愛知 処分2・2万頭 渥美半島入り口一般車両も消毒へ
愛知県は、田原市の養豚団地の一部農場で豚コレラの感染が見つかったことを受け、未感染の農場を含め、団地内と関連農場合わせて計16農場の豚1万4600頭の殺処分に踏み切った。ウイルスを封じ込め外部に拡大するのを防ぐ。今回を含めた県内の殺処分頭数は約2万2000頭に上る。田原市のある渥美半島は、養豚場が集中しているため、原則24時間体制で一般道の消毒などに乗り出す。
防疫措置の対象農場は団地内の14農場と、団地内の生産者が管理する周辺2農場の計16農場。8戸が経営しており、事務所や堆肥場、死体を保管する冷蔵庫や車両を共同利用している。県は13、14と連日、団地内の2戸3農場で疑似患畜を確認していた。
3農場以外の検査結果は陰性だったが同じ作業形態、動線があるため、県は今後新たな発生が確認される可能性を懸念。団地全体を一つの農場とみなした上で、団地内の農家が管理する周辺の2農場を含め、一括して防疫対象とした。
団地内での殺処分は13日から始まっているが、防疫措置が完了するには今後、1週間から10日かかる見込みだ。
今回を含めた県内の殺処分頭数は、農水省によると、10年の口蹄(こうてい)疫の約23万頭に次ぐ規模。県全体の飼養頭数約33万頭(18年)の7%に当たる。
同省は、今回の養豚団地から半径約10キロ圏内の9カ所で、畜産関連車両の消毒地点を拡大。さらに、搬出制限区域外の一般道で一般車両も消毒する。
一般車両を想定した消毒は昨年9月に豚コレラが発生以来、初の措置となる。国道3本と県道1本の渥美半島の入り口に消毒地点を置く。同地点から半島の先端まで散水車を走らせ、消毒液を散布する。交通量が多い国道23号沿いに、消石灰帯を8カ所設ける。
畜産関係車両には、消毒地点のある道を積極的に通るよう呼び掛ける。警察や自治体、畜産関係団体の協力を得て、原則24時間体制で消毒する。
2019年02月16日
和牛精液流出防止で初検討 新制度構築を
農水省は15日、和牛の精液や受精卵の海外流出防止策などを話し合う検討会の初会合を開いた。家畜の遺伝資源の育成者権を巡り国内外の法制度がない中、国内での管理の徹底や不適切に流通した場合の厳しい取り締まりをどう担保するかが焦点。有識者からは新たな仕組みを提案する声も上がった。現場での管理実態なども聴取し、対応方針を取りまとめる。
2019年02月16日

北海道 筆でレンズで 農の日々描く
日本の食を支え、俳句や写真などの創作活動で農業・農村の魅力を発信する。北海道にそんな農家がいる。題材は身近な農村の美しさや温かさ、厳しさなど、日々の営農で浮かぶ思い。多忙な作業の傍ら、作品のアイデアをつかむために周囲の観察を欠かさない。農家ならではの視点を生かした作品は、著名な俳句賞を受賞するなど高い評価を得ている。
俳句 “牛後”から表現豊かに 下川町・鈴木和夫さん
牛の尾を引き摺(ず)るやうに寒波来る
仔(こ)牛の寒衣(かんい)脱がせ裸と思ふ春
牛死せり片眼は蒲公英(たんぽぽ)に触れて
秋晴の定位置にあるトラクター
牛糞(ふん)を蹴ればほこんと春の土
トラクターに乗りたる火蛾(が)の死しても跳ね
角(つの)焼きを了(お)へて冷えゆく牛と我
(第64回角川俳句賞受賞作品より)
下川町で乳牛70頭を放牧などで飼う鈴木和夫さん(57)は、俳人としての顔も持つ。俳号は「鈴木牛後(ぎゅうご)」。「大きな組織の末端(牛後)でいるよりも小さな集団のトップ(鶏口=けいこう)になる方が良い」という意味の熟語「鶏口牛後」から、「末端(庶民)の視線を大事にしたい」とあえて「牛後」という言葉を借りた。
日頃の農作業や豊かな自然が題材だ。作品の一つ「美味(うま)き草不味(まず)き草あり草を刈る」。この作品を含む牛や風景をテーマにした50句は2018年、俳句の新人賞として名高い「角川俳句賞」に輝いた。牛や酪農を題材にした新鮮さと、確かな表現力が評価された。「牛を見ていると、おいしそうに食べる草と食べない草があることが分かってくるんです」と鈴木さん。
鈴木さんが俳句に出合ったのは10年ほど前。「酪農に従事しているからこそ、牛や風景など都会にはないものを詠める。季節や時期によってさまざまな顔を見せる自然や農業は題材に事欠かない」と話す。句集を作ることが目標だ。妻の淳子さん(55)も「これからも活躍してほしい」と活動を見守る。
鈴木さんが淳子さんに贈った句もある。「花を来し君と落花を見に行かむ」。若い頃から一緒に桜を見てきたあなたと、花が散るところまでを見たい──。新規参入で酪農経営を軌道に乗せるまで苦楽を共にした妻と、これからも2人で歩んでいきたいという気持ちを込めた。
写真 空と大地 一瞬狙う 芽室町・粟野秀明さん
芽室町で小麦やテンサイなど55ヘクタールで畑作を営む粟野秀明さん(55)は、十勝の広大な自然や生産現場の臨場感を写真で表現する。トラクターにカメラを積み、風景が美しいと感じたらすぐ作業を止めて撮影。地域の魅力を凝縮した一瞬を狙う。
写真は8年ほど前から本格的に始めた。一眼レフを買って半年後、地元の農業団体などが主催する「とかち農業・農村フォトコンテスト」に初めて応募。グランプリに選ばれ「写真熱が高まった」(粟野さん)。その後は独学で技術を磨いた。
主な撮影場所は自分の畑。今年度の同コンテストでグランプリに輝いた「大地のウェーブ」では、傾斜地のテンサイ畑を撮影。線状に並んだ苗が、地形に沿って波打って見える様子を捉えた。
作品はブログや写真展などで発表する。1月下旬には2度目の個展を札幌市で開催。作品53点を展示し、6日間で約1500人が来場したという。市内から訪れた男性は「農業をしながら素晴らしい作品を撮っていることに感動した。畑の造形美が伝わってくる」と絶賛した。
写真を通じ、粟野さん自身も農村の見方が変わったと実感する。「普通だと思っていた紅葉も、レンズを通すと美しく見えた。わが家の畑の魅力を再発見できた」。今後は風景に加え、「人物を主体にした写真などにも挑戦したい」と意気込む。
2019年02月14日
衆院予算委 豚コレラ発生巡り首相 経営再開へ支援万全
安倍晋三首相は13日の衆院予算委員会で、豚コレラの発生によって豚を殺処分するなどして、経営に打撃を受けた農家らの経営再開に向け、「政府としても万全の支援体制を取っていきたい」との考えを示した。発生農場などで防疫作業に長時間従事し、負担が大きくなっている自治体職員らのケアにも対応し、防疫措置の迅速な完了につなげていくとした。
2019年02月14日
共済連 次期3カ年で考え方表明 利用者との関係強化
JA共済連は16日、JA共済の次期3カ年計画(2019~21年度)の基本的考え方を明らかにした。重点取り組み事項として、①契約者数の確保に向けた生命保障を中心とする保障提供の強化②新たなJAファンづくりに向けた農業・地域に貢献する取り組みの強化③事業の効率化・契約者対応力の強化と健全性の向上──を盛り込んだ。中長期的には組合員・利用者との関係を強化し、強固な事業基盤を確保するとともに、新技術を活用したり他事業とも連携したりしながら保障の提供を拡充する。
2019年02月17日