アフリカ豚コレラ拡大 アジア初 中国で確認 防疫対策呼び掛け 農水省

 豚やイノシシに感染するアフリカ豚コレラ(ASF)の発生が、中国で確認されたことが分かった。アジアでの発生は初。これまで東欧中心だった同病の発生区域が一気に日本に近づいた。夏休み期間は国内外で人の出入りが多いだけに、農水省は防疫対策の徹底を農家らに呼び掛けている。

 ASFが確認されたのは、朝鮮半島に隣接し、中国東北部に位置する遼寧省瀋陽市にある養豚農場。1日にASFに類似した症状が現れ、47頭が死亡した。同国の国立研究機関による検査の結果、3日にASFであることが判明。感染経路は分かっていない。

 同国は緊急対応として、同市からの豚の運搬を停止した他、感染の可能性がある地域で飼養する豚8000頭以上を殺処分。消毒作業を実施するなど、まん延防止に向けた対策をとっている。

 3日の発表を受け、農水省は同日、各都道府県や生産者団体、日本獣医師会などに向けて、防疫対策を徹底するよう通知を出した。畜産関係者にはASFの発生が確認されている国・地域への渡航自粛や、関係者以外の農場への立ち入り制限、類似症状を発見した場合は早期に家畜保健所へ連絡を呼び掛けている。

 ASFの感染経路は、同病に汚染された生ごみや食べ残しが豚の餌に混入したり、野生イノシシが豚と接触したりするケースが多い。同省は、生肉が含まれる可能性がある飼料は加熱処理して与える必要性を強調する。

 2010年に宮崎県で口蹄(こうてい)疫が発生した際は、韓国や中国など近隣諸国で同病が先行的に頻発。こうした事例を踏まえ、同省は「関係者一体となって危機感を高めることが大事」(動物衛生課)と話す。

<ことば> アフリカ豚コレラ

 豚とイノシシがかかる感染率の高い伝染病。発熱や食欲不振、粘血便などの症状があり、急性だと致死率は100%。豚コレラとは異なり、有効なワクチンはなく、殺処分で撲滅させる。2007年にロシアで確認されて以降、ヨーロッパでは15カ国で発生が確認された。アジアでは今回の中国が初めてで、日本での発生はない。口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザとともに、特に影響が深刻な悪性家畜伝染病に指定されている。人には感染しない。

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