近くの田んぼで出穂が

 近くの田んぼで出穂が始まったと思ったら、もう首(こうべ)を垂れ始めた▼ひと夏に日本中にどれくらいの「米の花」が咲くのだろう。かつて東大名誉教授の松尾孝嶺さんは、600兆から700兆個と推計した(『お米とともに』〈玉川選書〉)。米の収量が1200万トンもあった時代の計算なので現在はもっと少ないが、それでも数百兆個ものかれんな花が列島を覆う。これが、日本人の命の源になると思うと、いとおしさが増す▼今年は異例の高温が続き、生育も早め。九州の早期米地帯からは、新米が届いた。新しもの好きにはうれしい。早速味わった。やはりうまい。頬張った時のほんのりとした甘味と弾力性は、新米ならでは。間もなく日本全国の自慢の新米が店頭に並ぶと思うと、うきうきする▼このところの人気は「無洗米」だとか。面倒な水洗いが要らず、若い世帯を中心に受けているという。価格は少し高くなるが、水洗いで流れてしまう「うま味層」が残り、おいしく炊き上がる。とぎ汁による水質汚染の心配もない。特殊な技法で水洗いよりもきれいにぬかがとれていると聞いて、抵抗感が薄れた。米店の勧めに従って、新米も無洗米にした▼簡単でしかもうまくなる技術の開発は日本人の真骨頂。ついでに米消費が伸びれば、言うことないのだが。

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