米生産費 家族経営60キロ9820円 JAグループ愛知が実証 目標実現へ大幅減

 「米のトータル生産コスト低減プロジェクト」を推進しているJAグループ愛知が、2017年産の実証試験で、家族経営(想定規模40ヘクタール)で60キロ当たりの生産コスト9820円、大規模法人(同120ヘクタール)で60キロ8907円を実現した。「24年産で60キロ9600円」という国が掲げる目標を、5年前倒して19年産での達成を目指す。今年は参加農家を増やして19年産から本格展開につなげ、農家所得の向上につなげる。

 プロジェクトはJAあいち経済連が中心となって県などと連携して17年産から開始。農機や肥料などの物財費削減、栽培管理や作業効率などを柱とする労働費削減、多収性品種導入などの生産性向上という3つのテーマを設定し、あいち海部とあいち豊田の2JA管内の農家4戸が協力して取り組んできた。

 物財費では、低コストの一発肥料の開発、これまで10キロが主流だった除草剤ケースに30キロや50キロといった超大型規格を設定。労働費ではトヨタ自動車が開発した農業IT管理ツール「豊作計画」を活用して、作業の無駄を洗い出す「カイゼン」を導入した。さらに水温や水量を測定する水田センサーの試験など、先端技術を使った農作業の効率化を探ってきた。

 生産性向上では、多収性品種「あきだわら」の導入を推奨。県の土壌分析からケイ酸などが不足傾向にあり、土づくり啓発を進めている。窒素成分を高めた全量基肥肥料を開発した。3項目でのコスト低減の取り組みメニューは29項目に上る。

 試験の結果、専業の家族経営で60キロ当たりのコストは1万544円から6・9%減の9820円、大規模法人で9615円から7・4%減の8907円となった。プロジェクトでは将来的に大規模法人で8000円にすることを目指す。

 同経済連は「肥料や農薬、資材だけでコストを削減していくのは難しい」として、裏作の麦や大豆もメニューに組み込み、水田をフル活用してのコスト削減を模索する。麦は播種(はしゅ)や施肥の最適化、大豆は摘心技術や品種選びなどをモデル農家に提案する。

 18年産は新たに6JAが取り組みに参加。29項目のメニューから地域にあったものを選び検証する。経済連は「農家の所得アップは生産コストの削減は不可欠。県やJAと連携し、担い手に提案したい」と意気込む。

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