[未来人材] 34歳。英―東京―古里。ゲストハウスに夢 地物でもてなしを 殿倉由起子さん 長野県飯田市

農場産リンゴとりんごジュースを手に、ゲストハウスの構想を語る殿倉さん(長野県飯田市で)

 長野県飯田市の殿倉由起子さん(34)は、両親や弟と共に、リンゴやアスパラガス、ブナシメジを生産する「太陽農場」を経営しながら、ゲストハウス開設の夢に向かってまい進する。英国留学とホテル勤務で培った語学力やホスピタリティー(もてなしの心)と、野菜ソムリエプロなどの資格を生かして、着実に歩を進めている。

 専業農家の長女で、「もともとは飯田が嫌で、外に出たかった」と明かす。高校卒業後、日本を飛び出し、英国の大学に進学。観光学を専攻し、卒業後は東京・銀座の外資系ホテルに就職した。転機は、2011年の東日本大震災。災害に弱い都会を離れ、実家の農業経営を支えようと、ホテルの同期入社だった夫の健一さん(35)と共に同年5月末、帰郷した。

 農場では、リンゴとアスパラガスを中心に経営に携わる。地元産果実や野菜を使うカフェの開設を目指し、野菜ソムリエの資格を取得。シードル(発泡性りんご酒)の伝道者「ポム・ド・リエゾン」の認定も得て、料理教室や講演などの活動を展開してきた。消費者や若手農業者との交流に喜びを感じ、「自分の好きなことを追求できる。戻ってきてよかった」と言い切る。

 夢はカフェ併設のゲストハウスに発展。20年の開業を目指している。思い描くのは、援農や農業体験に訪れた人、インバウンド(訪日外国人)ら、さまざまな人たちが集まり、地元食材の料理とシードルなどを楽しみながら交流する姿だ。

 「多くの人に、農業と南信州の魅力を知ってほしい。農業で多くの人に笑顔になってもらい、笑顔と笑顔をつなぎたい」と声を弾ませる。(飯島有三)
 

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