有機食品 スーパー、専門店“熱視線” 五輪が商機 訪日客に照準 課題は供給力

 スーパーや専門店などが有機(オーガニック)食品の販売を強化している。2020年の東京五輪・パラリンピックで、有機食品への関心が高い訪日外国人が増えることを商機と捉えた動きだ。一方、供給面では生産の伸び悩みが課題となる。安定供給に向けて産地と企業の連携が鍵となる。(三宅映未)

 イオンが手掛ける有機食品専門店「ビオセボン」は、ここ2年で首都圏に8店舗を展開する。野菜の9割で有機JAS認証を取得した商品を扱うなど品ぞろえを充実させ、イートインスペースも設置。「食に関心の高い人や、30、40代の子育て世代を取り込んでいる」と同社は手応えをつかむ。

 ライフコーポレーションの有機食品を充実させた業態「ビオラル」は、18年の売り上げが前年比2割増と好調だ。「通常商品と有機食品を比較して購入でき、気軽に立ち寄れる点が好評」と同社。近年は、通常のライフの店舗でも改装時に有機野菜コーナーを新設する。

 首都圏に展開するいなげやは、17年から有機食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地との連携を開始。同社が仕入れた有機農産品を売り場に並べることで、「安定的な供給が可能になり、顧客のニーズに応えることができる」(いなげや)とみる。

 調査会社の矢野経済研究所によると、有機食品市場規模は1857億円(推計値)でこの5年間で1割増えた。背景にあるのが、有機食品の購買意欲が高い訪日外国人の増加だ。政府によると18年は3119万人と過去最多を記録し、「(五輪がある)20年に4000万人の目標も視野に入った」(石井啓一国土交通相)。「五輪に向けて、有機食品市場の拡大が今後も続く」(同社)見通しだ。

 一方で、課題となるのが供給面。農水省によると、有機農業の耕地面積は2万4000ヘクタール(16年度)で、全体の0・5%にとどまる。栽培の難しさや病害虫発生などのリスク、流通網の整備が課題となり、大幅な生産増には至っていない。

 飲食店や業界などでつくる「次代の農と食を創る会」は16年に、有機農産物のマッチングサイト「farmO」(ファーモ)を立ち上げた。生産者と実需者双方が登録し、出荷情報や欲しい農産物などを書き込み、直接取引へつなげる仕組みだ。

 11日現在で登録生産者数は全国46都道府県の365件、飲食店や小売業者は186件に上る。創る会は今年からサイト上で受注や発注業務ができる仕組みを試験的に始め、受発注を簡便化することで、生産に集中したい農家を支援していく方針だ。 

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