切り花輸入13億本超 過去2番目規模 18年
2019年01月17日


2018年の切り花輸入量(サカキ・ヒサカキ類を除く)が13億1743万本と、過去最大の12年に次ぐ規模となったことが、農水省の植物検疫統計で分かった。国内の生産基盤弱体化に加え、猛暑などの天候不順で国産の出回りが伸びず、輸入物への代替需要が強まった。菊の輸入量は過去最高を更新した。切り花は既に大半が関税撤廃されており、輸入攻勢が年々強まっている。(三宅映未)
切り花の輸入量は、東日本大震災後の消費回復に「円高ドル安」が重なった12年の13億4300万本がピーク。いったん落ち着いたが、16年から再び右肩上がりで推移。18年は当初、国産の相場低迷により輸入は伸び悩むとの見方があったが、猛暑で国産が品薄となると夏以降に急増した。
品目別で、大きく伸びたのが菊類だ。輸入量は3億4108万本で前年より1・8%増え、過去10年間で最多。国別ではベトナム産が10・9%増の8314万本と大きく増えた。この5年間で1・6倍となっており、スーパーを中心にスプレイ菊を輸入物で手当てする動きが強まっている。
大手輸入商社は「ベトナムは人件費などの生産コストが安く、今後も輸入が増える可能性が高い」と分析する。最も輸入量の多いマレーシア産は、2・1%増の1億9749万本だった。
カーネーションも3億7038万本と0・8%増えた。主力のコロンビア産が微減したものの、代わりにエクアドル産が9・2%増の2956万本と押し上げた。スプレイ菊と同様、スーパー向けのスプレイカーネーションの引きが強い。
輸入が増える背景には、国産の出回り減がある。農水省によると、17年の国産花きの生産量は37億本と、この10年で2割減り、過去最低を記録。国産の生産基盤強化が課題となっている。
業界関係者は、国産の生産回復には有利販売が欠かせないと指摘。「マーケットが今後拡大するとは考えにくく、専門店は販売に苦戦している。スーパー向けなど販売先を捉えた産地戦略が一層重要になる」とする。
一方、バラは8・9%減の5709万本。主力のケニア産が秋以降の航空機運賃の値上げ、インド産と韓国産が自国での消費増加により、日本への仕向けを抑えた。
切り花の輸入量は、東日本大震災後の消費回復に「円高ドル安」が重なった12年の13億4300万本がピーク。いったん落ち着いたが、16年から再び右肩上がりで推移。18年は当初、国産の相場低迷により輸入は伸び悩むとの見方があったが、猛暑で国産が品薄となると夏以降に急増した。
菊類は最多 3・4億本
品目別で、大きく伸びたのが菊類だ。輸入量は3億4108万本で前年より1・8%増え、過去10年間で最多。国別ではベトナム産が10・9%増の8314万本と大きく増えた。この5年間で1・6倍となっており、スーパーを中心にスプレイ菊を輸入物で手当てする動きが強まっている。
大手輸入商社は「ベトナムは人件費などの生産コストが安く、今後も輸入が増える可能性が高い」と分析する。最も輸入量の多いマレーシア産は、2・1%増の1億9749万本だった。
カーネーションも3億7038万本と0・8%増えた。主力のコロンビア産が微減したものの、代わりにエクアドル産が9・2%増の2956万本と押し上げた。スプレイ菊と同様、スーパー向けのスプレイカーネーションの引きが強い。
輸入が増える背景には、国産の出回り減がある。農水省によると、17年の国産花きの生産量は37億本と、この10年で2割減り、過去最低を記録。国産の生産基盤強化が課題となっている。
業界関係者は、国産の生産回復には有利販売が欠かせないと指摘。「マーケットが今後拡大するとは考えにくく、専門店は販売に苦戦している。スーパー向けなど販売先を捉えた産地戦略が一層重要になる」とする。
一方、バラは8・9%減の5709万本。主力のケニア産が秋以降の航空機運賃の値上げ、インド産と韓国産が自国での消費増加により、日本への仕向けを抑えた。
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エコフィード 業界挙げて防疫を シンポで豚コレラ対策
全国食品リサイクル連合会が13日、東京都内で開いたエコフィードに関するシンポジウムで、豚コレラも含めた防疫対策が改めて強調された。今回の発生農場には、エコフィードを利用している養豚場があったこと、感染ルートの一つとして飼料輸送が疑われていることもあり、発表者が輸送車両の消毒技術や飼料の衛生的処理方法などを示し、病害の発生源とならないための意識改革が必要だと訴えた。
2019年02月14日

「フラワーバレンタイン」 定番品以外も充実 「手軽さ」前面に提案 生花店
14日のバレンタインデーを控え、男性が女性に花を贈る「フラワーバレンタイン」の動きが本格化してきた。小売店は、定番のバラに代わる季節の洋花の売り込みや、仕事帰りに手軽に持ち帰りやすい商品提案を強め、消費を喚起している。
全国に約100店舗を展開する青山フラワーマーケットは、春の季節花を売り込む。南青山本店(東京都港区)は、ピンク色のバラに、ラナンキュラスやチューリップを合わせた花束(3240円)をメインに据え、持ち帰りやすい小さな花束(378円~)もそろえる。運営するパーク・コーポレーションは「リピーターが増えており、飽きがこないように提案している」と、バラに加えて複数の季節花を取り入れる狙いを話す。
手軽さが売りの提案も強まっている。小田急フローリスト本店は、バラが6本の花束(3000円・税別)や1本だけを包装した商品を提案。同店は仕事帰りの来店客が多く「値頃な価格帯や、持ち帰りやすく控えめな包装が好まれる」という。
オランダ屋新宿店はバラにとどまらず、ラナンキュラスや、箱ごと持ち運べるミニタイプのコチョウラン(3800円・税別)を販売する。
フラワーバレンタインは、生産者や卸売業者、小売業者でつくる花の国日本協議会が推進を始めて9年目。同協議会の小川典子プロモーション推進室長は「首都圏を中心に定着度が高まり、出店エリアのニーズにあった商品提案が活発になっている」とみる。
2019年02月10日

牛肉、酒200億円突破 緑茶も最高更新 18年 農畜産物・加工品輸出
2018年(1~12月)の国産農畜産物や加工品の輸出額で、主力の牛肉や日本酒が初めて200億円の大台を突破したことが財務省の貿易統計で分かった。緑茶も過去最高を更新。アジアや米国など安定市場で需要を広げた。堅調な輸出ペースを加速させるには、輸出規制の緩和や新興市場の開拓が求められる。
18年の農林水産物・食品の輸出総額は前年比12%増の9068億円(速報値)。6年連続で過去最高を更新した。その伸びを牛肉や日本酒、緑茶などがけん引した。
国産牛肉の輸出額は前年比29%増の247億円、輸出量は32%増の3560トンと、共に統計がある1988年以降で過去最高だった。17年9月に輸出が再開した台湾向けが大きく伸びた。金額は41億円、数量は628トンと前年の3倍に達した。東京都内の輸出業者は「多様な部位の食べ方や調理方法が浸透しており、和牛消費が広まりやすい」と話す。
国・地域別では、カンボジア向けが38%増の56億円、45%増の786トンだった。主に冷凍ロインが輸出されている。前年まで首位だった香港に代わり同国向けが金額と数量で共に首位となった。
米国向けは10%増の33億円、13%増の421トンだった。4月に低関税枠の200トンを上回った。
日本酒の輸出額は前年比19%増の222億3200万円で、輸出量は1割増の2万5747キロリットルで共に過去最高だった。大吟醸といった特定の製法や原料基準を満たす高価格帯の「特定名称酒」の輸出が増え、輸出額の伸びが輸出量の増加ペースを上回った。
国・地域別では、米国への輸出額が最大で、前年比5%増の63億円。次いで、香港(38億円)と中国(36億円)が続き、共に35%増と大きく伸びた。日本酒造組合中央会は「今後は欧州連合(EU)など新規市場の開拓が重要になる」と分析する。
緑茶は前年比7%増の153億円で、統計の残る1988年以降で過去最高となった。輸出量は同10%増の5102トンで過去最も多く、初めて5000トンの大台に乗った。国・地域別で最も輸出額が多い米国が前年比15%増の68億円と伸びて全体を押し上げた。
「飲食店のメニューなどで抹茶が定着している」と日本貿易振興機構(ジェトロ)。輸出額1億円以上の17国・地域のうち11で前年を超えた。
花きは前年比5%減の129億円。国が掲げる19年の輸出総額150億円目標から後退した。輸出の9割を占める植木、盆栽類が5%減(121億円)だったことが響いた。全国花き輸出拡大協議会は「需要に見合う国産品の供給が間に合っていない」と指摘する。切り花は3%増の8億8849万円だった。
ジェトロは「輸出をさらに伸ばすには、海外市場で動植物の検疫や放射性物質の規制緩和が進むかが焦点となる」と指摘。また、生産者の所得確保に向けて「商品の付加価値化や、中小事業者の参加を促す視点が要る」と強調する。
2019年02月10日
衆院予算委 豚コレラ発生巡り首相 経営再開へ支援万全
安倍晋三首相は13日の衆院予算委員会で、豚コレラの発生によって豚を殺処分するなどして、経営に打撃を受けた農家らの経営再開に向け、「政府としても万全の支援体制を取っていきたい」との考えを示した。発生農場などで防疫作業に長時間従事し、負担が大きくなっている自治体職員らのケアにも対応し、防疫措置の迅速な完了につなげていくとした。
2019年02月14日

豚コレラ追加支援 移動制限で減収補填 監視対象 11府県・181農場 農水省
農水省は12日、豚コレラ発生に伴い、豚を出荷できなくなった農場への新たな経営支援策を明らかにした。移動制限や出荷自粛により生じた減収などを補填(ほてん)する。想定する対象は、発生が確認された岐阜、愛知、長野、滋賀、大阪の5府県を含む11府県181農場に上る。同省は府県の詳細は示していない。岐阜、愛知両県向けに防護柵の設置支援のため総額1億8000万円を措置するなど、野生イノシシ対策の概要も示した。
同省は181農場の詳細は示していないが、愛知県はそのうち107農場が同県にあると公表している。
経営支援策は、家畜伝染病予防費負担金の2000万円で対応する。移動制限で豚が出荷できない期間が続くと、流通規格を超える大きさに成長し、価格が下がる場合がある。その際の売り上げ減少分に加え、出荷制限中にかかった飼料代の増加分などを補填する。
対象となるのは、発生農場の周囲にあって移動制限を受けた農場の他、発生農場と同じと畜場を使うなどの関連があり、同省が「監視農場」と位置付ける農場。監視農場には出荷、移動の自粛を要請している。
同省は「幅広く網を掛け、少しでも接点がある農場は対象にした。減収への備えを示すことで、感染防止に協力する農家の不安を取り除きたい」(動物衛生課)と考える。
岐阜、愛知両県向けの野生イノシシ対策の一環として、わな設置や遺伝子検査の経費支援に向けて、両県に合計1000万円を追加配分する。
捕獲活動の支援には、鳥獣被害防止総合対策交付金を活用。岐阜、愛知の両県は、鳥獣被害防止総合対策交付金での交付限度額を撤廃。両県に2000万円ずつ追加交付し、捕獲や家畜保健衛生所への運搬、わなの消毒などに充ててもらう。長野、滋賀、大阪は従来の限度額の範囲内で対応する。
イノシシ防護柵の設置には、同交付金を岐阜に1億2000万円、愛知に6000万円を交付する。6日以降の着工分が対象。国が費用の10分の9を支援する。
2019年02月13日
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世界のラン展開幕 多彩な「花々」 「光る」初公開
世界最大級のランの祭典「世界らん展2019―花と緑の祭典」が15日、東京都文京区の東京ドームで始まった。29回目の今年は、ランにとどまらず、多彩な「花々」や多肉・食虫植物などの「緑」があふれる。世界初公開の「光るシクラメン」などが見どころ。22日まで。
会場には世界18カ国・地域の約3000種、約10万株、250万輪以上の花を展示する。コチョウランやカトレアなどのランで彩った幅約20メートル、高さ約5メートルの「オーキッドゲート」や、華やかなシンボルモニュメントなど、写真映えする空間を演出。光るシクラメンは、深海に生息する海洋プランクトンから発見された蛍光タンパク質の遺伝子情報を導入した。
ランのコンテストは個別部門の最高位「日本大賞」に、東京都の櫻井一さん(71)が栽培したパフィオペディラム エメラルドゲート「グリーン グローブ」が選ばれた。
2019年02月16日

100年ぶりに地酒復活 若手が原料米作り協力 栃木県高根沢町
栃木県有数の米どころ、高根沢町で、町内産米を使った日本酒が100年ぶりに復活した。若手農家や隣接する那須烏山市の酒造会社などが協力。「縁も高根沢」と名付け、町内の食と健康をテーマとした複合施設、元気あっぷむらで販売を始めた。
酒造りは、加藤公博町長が発案し、昨年3月に本格始動した。同公社によると、同町では明治時代以降酒蔵がなくなり、日本酒の醸造が途絶えていたという。4Hクラブの若手農家3人が酒造好適米「山田錦」を計80アール作付け。収穫した米約3トンを、昨年11月末から島崎酒造が醸造した。
9日には完成発表会があった。同公社の神長政男代表は「カメムシ発生や台風、大雨など苦労があったが、多くの方の協力で完成した。若手農家の思いが詰まったお酒をぜひ飲んでほしい」と呼び掛けた。4Hクラブの代表・永井秀和さん(37)は「飲みやすく、すっきりとしておいしい」と笑顔を見せた。
2、3月に生酒2000本、4月以降に1回火入れ4000本を販売する予定。1瓶(720ミリリットル)1700円。問い合わせは元気あっぷむら、(電)028(676)1126。
2019年02月15日

第2回落札7・9万トン 「優先枠」累計は47% 備蓄米
農水省は13日、2019年産政府備蓄米の第2回入札(12日実施)の結果を公表した。今回新たに7万9775トンが落札され、初回を加えた「優先枠」の累計落札数量は9万7403トンとなった。累計落札率は年間枠(20万9140トン)の47%だった。初回で様子見した新潟や富山といった主産地で落札が伸びるなど、取り組み拡大に向けた動きが出ている。
2019年02月14日
27日に初回入札 TPP豪産輸入枠
昨年12月末に発効したTPPを巡り、農水省は13日、オーストラリア向けに新設した売買同時契約(SBS)方式の米の輸入枠について、初回入札を27日に開くと発表した。契約予定数量は1000トンで、初年度の年間枠の半分に当たる。結果は同日に公表する。
2019年02月14日
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2019年02月14日

キャベツ低迷 2割安 日農平均 降雨で入荷増続く
キャベツ相場が低迷している。2月上旬の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は過去5年平均(平年)を2割下回る1キロ81円。暖冬傾向に加え、適度な雨で生育が進み、潤沢な入荷が続く。業務筋の引き合いは弱く、スーパーの売り上げも前年を下回る。今後も安定した出荷が続く見込みで、卸売会社は「月後半も安値基調が続く」と見通す。
2019年02月14日

時短需要に商機あり 国内最大級 流通業向け展示会
スーパーのバイヤーなど流通業者を対象にした国内最大級の展示商談会「スーパーマーケット・トレードショー2019」が13日、千葉市の幕張メッセで開幕した。食品メーカーやJAなど2176団体が出展。生鮮品や加工品で「時短」需要の高まりを受けた提案が目立った。15日まで。
2019年02月14日
海上運賃上昇の公算 燃料規制来年強化 飼肥料価格に影響も
船舶燃料に対する国際的な規制が2020年に強まるのを受け、海上輸送費が上昇する可能性が高まっている。燃料の切り替えなどコストを伴う対応を迫られる海運業者が、荷主に負担を求める公算が大きいためだ。具体的な影響額は現段階で不透明だが、飼料や肥料の価格など幅広い分野に影響する可能性がある。
2019年02月13日

[一村逸品] 後期優秀賞3点 日本農業新聞
日本農業新聞は12日、各地の農産加工品を紹介するコーナー「一村逸品」から、優れた商品を表彰する「第15回日本農業新聞一村逸品大賞」の後期(7~12月掲載分)審査会を開き、次の3点を優秀賞に選んだ。
▽「JA小松市のとまとケチャップ」(石川)▽「五郎島金時いしやきいも」(石川・JA金沢市)▽「まんのうひまわりオイル」(香川・(株)グリーンパークまんのう)。
年間表彰は20日開催予定の中央審査会で、前期・後期の優秀賞から大賞1点と金賞2点を決める。
2019年02月13日

意中の相手も頬染める!? 静岡県掛川市「chabacco」 “バレンタイン限定”ティーバッグ緑茶発売
スティック粉末緑茶を、たばこを思わせる箱に入れて「chabacco(チャバコ)」として販売する静岡県掛川市の「ショータイム」が、期間限定で「バレンタインチャバコ」を売り出した。
商品はティーバッグ四つ入り。三つは掛川産深蒸し煎茶、一つは「サンルージュ」という品種の茶で、酸性に反応すると色がピンクに変化する。お湯を注いだ湯飲みにレモン汁を入れ、ティーバッグを入れると一つだけがピンク色になる。
4人1組で同時に茶を入れれば、「確率4分の1で愛(ピンク)を引き当てられるのは誰?」とゲームを楽しめる。
箱には「あなたの周りの人、特に愛する伴侶や彼氏、気になる男性、会社および学校の同僚(同級生)や先輩・後輩などの機嫌に好影響を及ぼす可能性があります」「ピンク色のお茶を引き当てた男性は通常時と比べて数倍テンションが高くなります」などとユニークな注意書きが書かれている。
14日まで、JA掛川市の「お茶処(どころ)いっぷく」や、JR掛川駅構内の土産販売店など、掛川市内6カ所の販売機で購入できる。1箱500円。
ショータイム代表取締役の森川翔太さん(34)は「笑顔のティータイムにつながればと思う」と話す。
2019年02月13日