[未来人材]35歳。醸造も栽培も、風土生かして “地ワイン” に情熱 中子具紀さん 三重県名張市

醸造したワインの出来を確かめる中子さん(三重県名張市で)

 三重県名張市の中子具紀さん(35)は、同市産のワイン造りに挑戦している。2018年に稼働した同市初のワイナリーで醸造を担当しながら、ワイン向けブドウを生産。同市はブドウ産地だが、ワイン向け品種の栽培はほとんどなかった。中子さんは「名張の風土を生かした、この地ならではのワインを造りたい」と奮闘する。

 中子さんは大学卒業後、酒販売業者でワイン販売を担当。仕事で海外の生産者と交流するうちにのめり込み、10年には仕事を辞めてフランス、スペインに渡りワイン造りを修業した。その後、国内のワイナリーで経験を積んだ。

 同市でのワイン造りは、特産のブドウで地域おこしを目指していた名張商工会議所などから話を持ち掛けられ開始。同会議所や地元企業などが出資した「國津果實酒醸造所」で醸造を担当する。畑の野生酵母で醸造し、糖や酸を加えず酸化防止剤も極力控えるこだわりで、ブドウ本来の持ち味を引き出す。

 一方で生産者として、80アールでワイン用ブドウを栽培し同社に出荷する。「ビジュノワール」「アルモノワール」など日本品種が中心。ワイン向け品種の栽培ノウハウが蓄積されていないため、県の普及指導員ら、周囲の助言も受けながら地域に合ったやり方を探る。「ワインの出来の半分以上は、ブドウの力。技術を磨き、質も量も納得できる栽培法を確立したい」と話す。

 現在、醸造所の原料は多くが県外産。自身のブドウの生産量を増やしながら、名張市産の割合を増やすのが目標だ。中子さんは「地元の人たちと共に名張をブドウで盛り上げたい」と意気込む。(吉本理子) 
 

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