[岐阜・JAぎふ移動編集局] 居場所づくり、雅楽継承、荒廃竹林対策… “草の根”応援 地域貢献 住民活動 基金で助成

環境美化、伝統芸能の継承、自然体験、啓発活動など幅広い地域の取り組みに活用されている「みのっ太基金」(JAぎふ提供)

 岐阜県のJAぎふが、さまざまな地域活動を支援するために運営する「みのっ太基金」が成果を上げている。農業振興に加え、文化の継承や地域づくりなど、地域住民らの活動を幅広く助成。活動する住民らの手挙げ方式とすることで、地域が抱えるさまざまな課題にJAが関われるのが特徴だ。助成は2014年度の開始からの4年間で72団体、総額5056万円に上る。「基金があったから続けられた」という活動も多く、好評だ。

 基金は、地域活動の支援のために剰余金から10億円を積み立て、14年度から同基金による支援を始めた。支援は1活動につき上限100万円で、毎年2000万円を上限に取り崩す。助成件数は14年度が13件、15年度16件、16年度21件、17年度29件と、年々増えている。18年度分は現在審査中だ。

 対象は農業、食文化、街づくり、環境保全といった管内の活動。助成希望者は、JA役員や学識経験者による審査会で活動をプレゼンテーションする。工作の紹介や楽器の演奏などユニークな取り組みもあるという。

 伝統文化の継承に基金を活用したのが、本巣市の外山地域街づくり委員会雅楽部会。市の無形民俗文化財に指定されている「金山雅楽」に必要な鞨鼓(かっこ)や鉦鼓(しょうこ)、笙(しょう)などを購入した。昨年12月には、外山基幹集落センターで雅楽ワークショップを開き、地域住民に伝統の音色を披露した。同部会の高橋智恵美さんは「本物の音を聴き練習できることで意欲が高まった。JAの支援基金で活動の幅が広がった」と話す。

 岐阜市長良地区で活動する「ながら『梅子の家』を運営する会」は、高齢者、子どもの孤立や孤食に着目。高齢者のカフェやランチ会、子ども食堂などの居場所づくりの他、高齢者と子どもが工作などを通じて交流するまちづくり活動にも取り組む。

 この他、生産部会がPRのために使う着ぐるみの作成、荒れた竹林の伐採を兼ねた竹細工教室など、地域の課題解決の取り組みを支援。住民の高齢化で、地域の子ども相撲の土俵の整備が難しくなった地区では、土俵を守る屋根を設置した。青少年の非行防止や健全育成の啓発、きれいな星空鑑賞を親子に提供するために望遠鏡や双眼鏡の購入といった活動も支援した。

 担当するJA経営企画課の水野智也次長は「『やめようかと思っていたが、助成で続けられた』という声が多く寄せられる。職員と親しくなるなど、JAと地域のつながりも深まった」と説明する。

 JAによると基金はまだ積み立てがあり、継続する計画。今後、活動の幅や地区をより広げるため、周知に力を入れる考えだ。JAの近藤隆郎企画総務担当常務は「支援を通じて、地域と一体となった活動につながってほしい。基金がさらに浸透し、地域と共に成長するJAとなっていきたい」と展望する。 
 

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